印刷 | 通常画面に戻る |

帝国主義

19世紀後半以降に顕著となった、資本主義の展開過程で独占資本が国家権力と結びついて国家独占資本主義が形成され、いわゆる列強が植民地や勢力圏の拡大を競い合い、世界戦争をもたらした歴史的段階。

 資本主義経済において金融資本による資本の支配、いわゆる独占資本が形成され、国家権力と結びついて軍事力による領土、勢力圏、植民地の拡大を図る膨張政策を列強が競うようになった段階を帝国主義という。帝国主義国家内部においては、国家利益がすべてに優先され、個人の自由は強く制限されることが多かった。
 帝国主義についてはレーニンが1916年に著した『帝国主義論』での定義がある。それによると、
1)生産と資本の集中・集積による独占の形成
2)産業資本と銀行資本の融合による金融資本の成立
3)商品輸出にかわり資本輸出の増大
4)国際カルテルによる世界市場の分割
5)帝国主義列強による植民地分割の完了
の5点の特徴が挙げられている。

国家独占資本主義

 帝国主義段階での、国家と独占資本が結びついた資本主義の一形態。第一次世界大戦中にレーニンが用いたマルクス経済学上の用語であるが、特に世界恐慌後のナチズム経済や日本の昭和戦前期の経済があてはまる。アメリカのニューディール政策にみられる経済の国家統制もその変形の例と見ることもできる。<

8カ国の列強

 19世紀末~20世紀、帝国主義列強として海外領土・植民地を争った諸国を特に列強という。20世紀初頭に帝国主義的な意味の植民地を所有していたのは、イギリス・フランス・ドイツ・ロシア・アメリカの5大国と、イタリア・ベルギー・日本の併せて8カ国であった。この列強8カ国は、1876年から1914年までの間に、約2億7000万人の住む2730万平方キロメートルの植民地を新たに手に入れ、それ以前に領有していた分に加え、地球の総面積の半分以上を占め、世界人口のほぼ3分の1が住む土地を植民地として支配することになった。<木谷勤『帝国主義と世界の一体化』世界リブレット40>
 → イギリスの帝国主義  フランスの帝国主義  アメリカ帝国主義  ロシアの帝国主義
 世界史上の世界帝国、最近の「帝国」概念については、帝国の項を参照して下さい。
印 刷
印刷画面へ
ノートの参照
第14章1節 ア.帝国主義
書籍案内

レーニン
『帝国主義』
岩波文庫

木谷勤
『帝国主義と世界の一体化』
世界リブレット40
山川出版社