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フレスコ画

ルネサンス期のヨーロッパ絵画の技法。

 フレスコ画とは、13世紀末にトスカナ地方で登場し、14~16世紀がその黄金期であったもので、本来は下地の漆喰がまだ乾かない”新鮮な”(イタリア語でフレスコ)うちに、水で溶いた顔料で描くブオン・フレスコの技法のことをいう。漆喰壁は乾いてしまうと顔料が固定しないので、朝、その日描く範囲だけ上塗りし、そこに下絵(シノビア)を描き、乾かないうちに顔料を固定剤を加えずに水だけで溶いて彩色していく。顔料は漆喰が乾くと固形化して剥落しないので、長く堅牢な絵として残るのである。この技法は部分部分を完成させながら、跡で修正がきかないので、綿密な計画性と特別な熟練を必要とするものであった。15世紀にフランドルで油絵技法が開発され、それがイタリアにも伝えられて、フレスコ画に代わる大きな技術改革となった。
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