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第1章 オリエントと地中海世界

第2節 ギリシア世界

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ア.地中海世界の風土と人びと
 a  地中海世界  の環境
  気候 夏は暑く乾燥、冬は温暖。(地中海性気候)
  地形 陸地は山がちで、大河や大平野はない。
   → 地中海の海上交通が発達し、沿岸部の都市を結ぶ文化圏が発達した。
  産業 大部分はオリーブ・ブドウなどのb  果樹栽培  と羊のc  牧畜  に適している。
   → 穀物(小麦)の産地はd  エジプト  とe  黒海  沿岸などに限られていた。
   f  地中海貿易  の発達
   → 主な商品 ぶどう酒・オリーブ油 →「液体の道」とも言う。
  人種 ギリシア人古代イタリア人(ともにインド=ヨーロッパ語族)が重要な役割を担う。

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イ.エーゲ文明
 ・前3000年紀の初めごろ東地中海沿岸にa エーゲ文明  が栄える。
  = ギリシアのb エーゲ海 にオリエントの影響を受けて成立したc 青銅器文明 
★エーゲ文明の解明
 ▲a  シュリーマン  :ドイツ人の実業家 『古代への情熱』を著す。
   1870年代 b  トロイア遺跡  ・c  ミケーネ遺跡  などを発掘に成功。
 ▲d  エヴァンス  :イギリスの考古学者  1900年代 e  クノッソス遺跡  の発掘。
 f  ヴェントリス  :イギリスの建築家  1952年 g  線文字B(ミケーネ文字) を解読。
 クレタ文明  前2000年ごろ盛んになる。 
 a クレタ島 のb クノッソス を中心に壮大な宮殿建築をもつ文明。
  宗教的権威を持つ強力な王権のもとに、海上王国を形成した。伝承上の王がミノス王
  特色:民族系統は不明(絵文字と線文字Aを用いていたが末解読)。
     宮殿は城壁を持たず、開放的。壁画の題材は海洋生物が多い。
   → 海洋民族らしい開放的な文化。

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  ミケーネ文明    北方からギリシア人がギリシア本土に南下(前2000年頃か)。
  → このギリシア人を▲a  アカイア人  という。クレタやオリエントの影響を受け、
    青銅器文明を受容。独自のb  線文字B  を使用しギリシア語を表記した。
 前16世紀 c  ミケーネ  ・d  ティリンス  ピュロスなどに小王国を建設。
  → 巨石で出来た城塞王宮を建設し、戦闘的で軍事に関心が強い。
 前14世紀 ミケーネ王国が有力となり、クレタ文明を征服。
  同じ頃、小アジアのe  トロイア  王国(トロイア文明が栄えた)を征服=f  トロイア戦争  
・社会:粘土板に残されたg  線文字B  の解読の結果、明らかになった。
    専制的な国王が、農民から農産物を貢納させる貢納王政
・前1200年ごろ滅亡。系統不明の海上民(h  海の民  )という外敵の侵入を受ける。
  暗黒時代  
・背景:a  鉄器  を武器とする民族の征服活動によって社会が混乱か。
 → 混乱、約400年続く。人口減少、貢納王政も崩壊し、ギリシア人が周辺に移住。
・ギリシア人の分化 移動していく過程で方言の違いから、
 b  イオニア人  、c  アイオリス人  、d  ドーリア人  に分かれる。
・鉄器の普及 → 生産力の発展にともない、貴族・平民・奴隷の階級関係が成立。 

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ウ.ポリスの成立と発展
  ポリス  の形成  背景:暗黒時代(前12~前9世紀ごろ)に鉄器が普及。
・前8世紀 各地で有力な王や貴族のもとにいくつかの集落が連合しa  アクロポリス  (城山)
      を中心に人々がb  集住(シノイキスモス)  し、都市を形成。
 → 定住の結果、人口増加 → 土地の不足 → 植民活動に乗り出す。
 植民市 の建設 前8世紀半ばから、ギリシア人が地中海・黒海沿岸に進出。
 西地中海 a  マッサリア  、b  ネアポリス  、c  タレントゥム  、d  シラクサ  
 東地中海 e  ミレトス  ナウクラティスキレナイカ
 黒海方面 f  ビザンティオン  など。
 →地中海の商業活動でg フェニキア人 と対抗しながら彼らから文字を学び、
  h  アルファベット  を作る。
★ギリシア人の同胞意識
 古代ギリシアはポリスの分立が続き、統一国家はできなかったが、言語・神話を共有した。
 ギリシア人は自らをa  ヘレネス  、異民族をb  バルバロイ  と言って区別した。
 ▲ギリシア世界の共通行事
 1.c  デルフォイの神託  …… 各ポリスが、アポロン神の神託で戦争や植民を占った。
    → 隣接のポリスが祭礼の実効のためにd  隣保同盟  を結成した。
 2.d  オリンピアの祭典  ……4年に一度、オリンピアで各ポリスの市民が集まる競技会。
    → 前776年に始まる。祭事中は「神聖な休戦」が守られる。
エ.市民と奴隷
(1)  ポリスの市民   ポリスを形成する自由民。貴族と平民から成る。
 a  貴族   血統を誇る富裕者。武器と馬を所有し、騎士としてポリスの国防の中心となる。
  前8世紀半ばごろから王に代わって貴族から選ばれたアルコンがポリスを統治するようになる。
 b  平民   土地と奴隷をもち、農業に従事。平等な市民団としてポリスの政治に直接関与。
  前7世紀ごろから、経済活動の活発化に伴い、政治的にも貴族と争うようになる。
   →ギュムナシオン(体育訓練施設)で軍事訓練を受け、武器を自弁して幣紙となる義務を負う。
 ・在留外人(メトイコイ)は自由身分であったが、市民権はなかった。
(2)  奴隷制度   人格は認められず、売買の対象となる。
 借財による没落(債務奴隷)、戦争捕虜、海外から輸入された異民族などが奴隷となった。

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★ポリスの構造
 城壁で囲まれた市域(中心市)と、周辺の田園(農地)とからなる。
 中心部 a  アクロポリス    = 市域の中心にある守護神を祭る丘。(城山)
     b  アゴラ   = 城山のふもとにある市民の集会・裁判・取引の行われる公共広場。
  周辺 城壁の周辺の田園では平民(農民)が持ち分地(c  クレーロス  )を耕作。
    → このような農業市民がポリス市民団の中核となり、ポリスを基盤に都市文明を発展させた。
オ.アテネとスパルタ
  アテネ   の場合 
  イオニア人  の集住によってアッティカ地方に形成した非征服型ポリス。
 → b  奴隷制度  が最も発達し、総人口の約3分の1をしめる。総人口は最盛期で約25万。
 大多数が異民族奴隷で、c  家内奴隷  ・農業奴隷が多いが、手工業や銀山でも使役。
  = ▲d  ラウレイオン銀山  の奴隷労働が有名。
 スパルタ  の場合 

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  ドーリア人  が先住民を征服してペロポネソス半島に作った征服型ポリス。
 支配層:征服民が支配層を形成し、中心部に住む少人数の富裕な市民となる。
 被支配層:b  ヘイロータイ(ヘロット)   =征服された先住ギリシア人。農地を耕作。
 中間層:c  ペリオイコイ   =ドーリア人。参政権のない半自由民。商工業に従事。従軍義務はあり。
・d  軍国主義  体制をとる。伝説的な立法者e  リュクルゴス  が定めたとされる。
  国防の強化と、被支配民の反乱に備え、きびしい軍隊的生活規定を市民に要求。
 → 前6世紀半ば頃までにスパルタ市民団が成立。強大な陸軍国となりアテネなどと抗争した。
カ.民主政へのあゆみ
代表的ポリスであるアテネにおける政治形態の変遷
  王政  (Monarchy)から  貴族政  (Aristocracy)へ 
 前8世紀 集住が進む過程で、少数の富裕者が騎兵としてポリスの防衛の主力となり、貴族政をしく。
  ▲a  アルコン  :貴族から選出され、行政、軍事、祭祀、法律の制定などのポリスの権限を持った。
  平民の成長    経済の発展を背景に、次第に平民が台頭する。
 前8世紀中頃から貿易活動が活発となり、▲a  貨幣  の使用が市民にも及び商・工業が発展しした。
  → 武器が安価になると、富裕な平民は武具を自費で用意し、b  重装歩兵  として活躍。
  → 騎馬中心の貴族に代わり軍隊の主力となる。→ 参政権を求めて貴族と対立する。
  貴族と平民の抗争    アテネにおいて、両者の対立を調停する立法者が現れる。
 前7世紀 a ドラコンの立法   最初の成文法を制定、法律を平民に公開。対立の調停に務める。
 前6世紀初め b  ソロンの改革   貴族と平民の対立を調停し調停者といわれる。
 ・他に、陪審員を平民から選び役人を裁く民衆裁判を開始。4部族から代表を選ぶ評議員会を設置。
  → 貴族の不満残る。参政権の平等化は実現せず、下層市民の不満も残る。

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  僭主政   Tyranny 平民の支持を受けて非合法に政権を奪取した独裁的な政治家が出現。
 前6世紀中頃 a  ペイシストラトス  :貴族を押え平民を保護し、独裁的な権力を握る。
   → 文化を奨励し、平民の人気を得る。その死後、後継者同士が争う。
  民主政の成立   Democracy 平民の権利が保障され、平民が合議で市政を運営。
 前508年 a  クレイステネス  の改革
・改革のポイント
 1. 血縁的な4部族制を、地縁的共同体に基礎をおく10部族制に改める。
  → ▲b  デモス(区)   を行政区画とする。
  → ▲各部族から抽選で評議員を選び、五百人評議会を新設(行政機関となる)。
 2. 僭主の出現の防止のための制度を設ける。  =c  陶片追放(オストラシズム)   
  → 全部で6000票集まったとき、最多得票者を10年間国外に追放する制度。
 意義:アテネ民主政の基礎が築かれる。
キ.ペルシア戦争とアテネ民主政
  イオニアの反乱   オリエントを統一したa  アケメネス朝ペルシア  の勢力、小アジア西岸に及ぶ。
 前500年 イオニア地方のギリシア人植民市(中心b  ミレトス  )が反乱を起こす。
  → アテネに援軍を要請。c  ペルシア戦争  始まる。
  第1次ペルシア戦争   前492年 a  ダレイオス1世 の第1回ギリシア遠征。
  → 嵐のため海軍が遭難し失敗。
  第2次ペルシア戦争   前490年 ペルシアの第2回ギリシア遠征。
  → エーゲ海の島々を占領し、さらにギリシア本土に上陸。
 前490年 a  マラトンの戦い  でアテネのb  重装歩兵密集部隊  が独力でペルシア軍を破る。
  第3次ペルシア戦争   前480年 クセルクセス1世による第3回ギリシア遠征。
 a  テルモピュライの戦い  レオニダスの指揮するスパルタ軍がペルシア軍を阻止するも全滅。
  → ペルシア軍、アテネを占領。アテネの指揮官b  テミストクレス  は海戦をいどむ。

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 c  サラミスの海戦  :ペルシアはフェニキア人中心の海軍を派遣。
  アテネ海軍では無産市民が軍艦(d  三段櫂船  )の漕ぎ手として活躍。 ペルシア海軍を破る。
  → ペルシア軍撤退。
 b  テミストクレス  は後にオストラシズムによって追放される。
 第4次ペルシア戦争  前479年 ペルシア軍の第4回ギリシア遠征。
  a プラタイアの戦い  でスパルタ・アテネ連合軍が勝つ。
 前478年 b デロス同盟 :アテネを盟主にペルシアの再攻に備えた軍事同盟を結成。
 前449年 カリアスの和議でペルシア戦争が終わる。
  ペリクレス  時代
 前443~前429年 将軍職(ストラテゴス)として統治。 →資料 ペリクレスの演説
 背景 a  無産市民  が軍艦の漕ぎ手として活捜したため、発言力を強める。
 前5世紀後半 アテネのb  ポリス民主政  の全盛期となる。以下はポイント。
  1.c  民会  を決議機関とし、多数決で採決。
   その構成員=d 市民権を有する18才以上の成年男子が直接参加する。 
   ▲前451年 市民権法を定め、両親ともアテネ出身者に限定。
  2.役職はe  抽選  で選出し日当を支給。(軍事の最高職の将軍だけは民会の選挙で選出。)
   → 一般市民・下層市民でも官職につくこととなる。

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  3.抽選された市民が陪審員としてf  民衆裁判所  に加わり投票で判決。日当を支給。
  4.役人や政治家に対してはg  弾劾裁判  を実施し、厳しく不正を取り締まる。
 → 前5世紀後半、民主政が各ポリスに広がる。
 ▲アテネはh  デロス同盟  を背景に海外に勢力を拡大し「アテネ帝国」と言われるようになる。
 ★まとめ 古代ギリシアのポリス民主政と、現代の民主政の違いをまとめよ。
  1.  奴隷制度  を基礎としたこと。
  2.参政権は  成年男子市民  に限られ、奴隷・在留外人・女性には認められず。
  3.代議制ではなく  直接民主政  であること。
ク.ポリスの変質
  ペロポネソス戦争   前431年~前404年
 a  スパルタ  がb  デロス同盟  に反発し、c  ペロポネソス同盟  を結成。
  → 前431年 ギリシアの各ポリスが両陣営に別れ、戦争となる。
 前429年 アテネの指導者d  ペリクレス  、疫病で死去。
  → ▲e  デマゴーゴス  によるf  衆愚政治  となる。
  → 戦争長期化し、ギリシア国土が荒廃。▲アテネ、シチリア島遠征に失敗。
 前404年 a スパルタ の勝利:g ペルシア帝国 の援助で勝利するも、国力を消耗。衰退する。
  ポリスの衰退   
 前4世紀初め コリントを中心とした連合軍とスパルタが戦うa  コリント戦争  が起こる。
  → b ペルシア帝国 の仲介で和約(大王の和約)。ペルシア帝国の介入強まる。
 前371 c  テーベ   エパミノンダスの指揮でスパルタを破り、一時ギシアを制圧。
 → ペルシア帝国の介入により、抗争が続き、▲d  農業の荒廃  進む。→ 市民の没落。
その結果 e 重装歩兵による市民軍の原則が崩壊する。  →f  傭兵  の使用が広まる。 
  マケドニア  の進出 ギリシア人の一派で北方で勢力を強める。都はペラ
 前4世紀後半 a  フィリッポス2世   ギリシアに侵入。
  → アテネのデモステネス、テーべと連合し抵抗することを主張。
    哲学者のイソクラテスはフィリッポス2世への服従を主張。

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 前338年 b  カイロネイアの戦い   アテネ・テーベの連合軍、マケドニアに敗れる。
  スパルタを除く全ポリス、c  コリント同盟  (ヘラス同盟)結成。マケドニアの実質支配成立。
ケ.ヘレニズム時代
  アレクサンドロス大王   マケドニア王フィリッポス2世の子
・a  東方遠征  を開始 ギリシアに干渉を続けるb  ペルシア帝国  を討つため遠征を始める。
 前334年 グラニコス河の戦いの勝利
 前333年 ▲c  イッソスの戦い   ペルシア帝国のダレイオス3世に大勝利
 前331年 エジプトを平定。ナイル川河口にd アレクサンドリア を建設。
   → シリアに進出し、アルベラの戦い(ガウガメラ)でダレイオス3世軍を破る。
 前330年 ダレイオス3世、暗殺されe ペルシア帝国滅亡 
 背最:ポリス社会の解体に伴い出現した貧民層の不満を、征服戦争で解消させようとした。
  アレクサンドロスの大帝国  
 前330~327年 ソグディアナ、バクトリア(現アフガニスタン)に進出。
 前327~325年 a  インダス川流域  に進出。
  ・各地にギリシア人の植民都市=d  アレクサンドリア  を建設(約70カ所)。
  ・帝国内の民族融合政策:前324年 スサでの集団結婚の実施。
C.前323年 アレクサンドロス大王、バビロンで死去。
  → ▲a  ディアドコイ  (後継者たち)の争いが激しくなる。
 前301年 イプソスの戦い  アンティゴノスらとセレウコスらの戦い。
  → デイアドコイ間の戦い最高潮に達し、アレクサンドロス大王遺領の分裂決定的になる。
  ヘレニズム三国   の分立
・前276年 a  アンティゴノス朝マケドニア   アンティゴノスが建国。都ペラ。
  → 前2世紀、ローマの侵略を受け(マケドニア戦争)、前168年滅亡。
・b  セレウコス朝シリア   セレウコス1世が建国。シリアを中心にペルシア帝国領を継承。
  都 東に▲c  セレウキア   ▲西にd  アンティオキア  
 前3世紀 セレウコス朝からの周辺民族の自立 → 小アジアの▲e  ペルガモン  
      中央アジアのギリシア系f  バクトリア  、イラン系g  パルティア  が分離独立。
  → 前2世紀 マカベア戦争でユダヤ人も独立。
  → 前63年 セレウコス朝、ローマに滅ぼされる。
・h  プトレマイオス朝エジプト   ▲i  プトレマイオス1世  が建国。
  ギリシア系の王朝だが、エジプトの伝統を取り入れ、ファラオとして君臨。
  都 j  アレクサンドリア  は、ヘレニズム世界の中心として繁栄する。
※前334年のアレクサンドロス大王の東征開始から前30年のプトレマイオス朝エジプトの滅亡までの
 300年間をk  ヘレニズム時代  という。
 いずれもギリシア(マケドニア)人が支配する国家で、ヘレニズム三国といわれる。
・前3世紀以降、西地中海でカルタゴを破ったローマの勢力が、ヘレニズム世界にも及ぶ。
・前30年 ローマ軍によって、プトレマイオス朝エジプト(女王クレオパトラ)滅亡。
   = ヘレニズム時代の終わり(次節へ)。

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コ.ギリシアの生活と文化
★ポリス社会が栄えた時代のギリシア文化は次の2期にわける。
  前8~前6世紀(ポリス社会形成期):▲a  アーカイック期  = ギリシア文化の形成期
  前5~前4世紀(ポリス社会全盛期):▲b  古典期  = ギリシア文化の全盛期
★ギリシアの生活と文化
1.宗教 ゼウスを中心とするa  オリンポス12神  ※の信仰。ギリシアの神々は人間と同じ
     姿を持ち、喜怒哀楽をともにすると考えられた。その宗教も現世肯定的であった。
補足 オリンポス12神
 ゼウス(主神) ヘラ(ゼウスの妻) ポセイドン(海と大地の神) アレス(軍神) アポロン(太陽神)
 ヘファイストス(火の神) ヘルメス(商業の神) アテナ(知恵の女神) アルテミス(月の神)
 アフロディテ(美の女神) ヘスティア(かまどの女神) デメテル(農業の女神)
2.文学
 叙事詩 a  ホメロス(ホーマー)   口承叙事詩の伝統を受け継いだ盲目の吟唱詩人。
      『b  イリアス  』とc『  オデュッセイア  』 トロヤ戦争での英雄たちの物語。
     d  ヘシオドス   『e  労働と日々  』で労働の楽しさを唱う。『神統記』は神々の系譜。
 叙情詩 アナクレオン・ピンダロス・サッフオー(女流叙情詩人。レスボス島出身)

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3.演劇 古典期(前5世紀)のアテネで演劇が栄える
 a  悲劇   ポリスの行事として円形劇場で競演された。仮面や合唱隊(コロス)などの形式が発達。
  三大悲劇詩人とされる次の三人が活躍。神々と人間の葛藤などを題材に、優れた作品を生み出した。
   b  アイスキュロス   『アガメムノン』『縛られたプロメテウス』など、神話に題材を採る。
   c  ソフォクレス   『オイディプス王』など、人間の葛藤を描き、悲劇を完成させた。
   d  エウリピデス   『メディア』など 、人間の運命との葛藤を描いた。
 e  喜劇   ポリスの衰退期・混乱期に、世相を風刺する作品が人気を博した。
   f  アリストファネス   『女の平和』(ペロポネソス戦争を批判)、『女の議会』など。
4.ギリシア哲学の流れ
  イオニア自然哲学   前6世紀はじめ、小アジア西岸で成立。
 ・ミレトスを中心に物事の根源を合理的に考察する人々が現れる。( )内はその主張。
  a  タレース  (万物の根元は水である)   b  ピタゴラス  (万物の根元は数である)
  ▲c  ヘラクレイトス  (万物は流転する)   ▲d  デモクリトス  (原子の存在)
  ▲e  ヒポクラテス   医学の父とされる。
  ソフィストたち   市民民に弁論術を教える職業的教師たち。「知恵ある者」の意味。
  客観的・普遍的真理の存在を否定、相対主義的・主観的な考え。次第に詭弁に陥る。
  代表的ソフィスト a  プロタゴラス   ”人間は万物の尺度である”と説く。
  ソクラテス   前5世紀後半 アテネで活動。ソフィストに対し、絶対的真理の存在と
  知徳一致を説く。また、対話的方法による”▲a  無知の知   ”を説く。
  若者を惑わすものとして裁判にかけられ、刑死。”悪法もまた法なり”のことばで有名。
  プラトン   前4世紀前半 Cの弟子。『ソクラテスの弁明』など多数の著作が残る。
  経験的事物を越えた▲a  イデア  の存在を説く。(「洞窟の比喩」などで有名。)
  ポリスの民主政の再建をめざし『国家論』を著す。
  アテネに学園b  アカデメイア  を建設。
 ▲プラトンを批判した学派に犬儒派がある。(ディオゲネスなど)
  アリストテレス  前4世紀後半 Dの弟子。アカデメイアで学ぶ。
  『形而上学』 『政治学』『アテナイ人の国制』など多数。
  現実の中に真実があると主張し、実証的な諸科学を研究、体系化する。
  後世の学問に多大の影響を与え”諸学の父”といわれる。
  ▲アテネに学園リュケイオンを創設した。
  マケドニアに招かれ、a アレクサンドロス の師となる。
5.歴史家
 ・a  ヘロドトス   前5世紀前半、小アジアのハリカルナッソスの生まれ。
   b  ペルシア戦争  の歴史を記述した『歴史』を著す。”歴史学の父”とされる。
 ・c  トゥキディデス   前5世紀後半の人。d  ペロポネソス戦争  の歴史を記述。
   『戦史』(『歴史』)は科学的実証的な史料批判に基づいて記述。
 ▲クセノフォン 『アナバシス』(一万人の退却)、『ソクラテスの思い出』
6.美術 古典期に、ギリシア的な写実的で均整と調和のとれた美術が生まれる。
 建築 柱の形式で次の3様式に分ける。
     a  ドーリア式  :荘厳
     b  イオニア式  :優美

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     c  コリント式  :華麗
    例 ペリクレスが企画したアテネのd パルテノン神殿  ドーリア式の傑作とされる。
 彫刻 e  フェイディアス  (アテネの女神像の作者)・プラクシテレスなどの神像彫刻
★ヘレニズム時代の文化
  ヘレニズム  文化
1.意味:b アレクサンドロスの帝国の成立によって生まれたギリシア文化とオリエント文化の融合した文化 
   特に、ギリシア人が西アジアに建設した都市とその周辺で形成された。
   共通語として▲c  コイネー  (ギリシア語の変形)が広く使われる。
2.思想:a  コスモポリタニズム(世界市民主義)  の形成
    ポリスが衰退し、国家に帰属するよりも、自立した個人が国家の枠をこえて活動する。
  ・b  ストア派  :アテネでゼノンが説き始める。 ※ストアとはアテネのアゴラに面した柱廊のこと。
    禁欲に徹することによって心の平安を得られるとする禁欲主義。
  ・c  エピクロス派  :アテネのエピクロスが説く。
    快楽が最高の幸福であるとし、精神的快楽を肯定する快楽主義。
3.科学:
 中心地:a  アレキサンドリア   人口100万 「世界の結び目」といわれる。
      b  ムセイオン  :プトレマイオス朝の王立研究所。世界各地の図書が集められた。
 天文学 c  エラトステネス   地球の外周を測定(ムセイオンの館長)。
     d  アリスタルコス   太陽中心説 地球の公転と自転を実証。
 数学  e  アルキメデス   アルキメデスの原理。シラクサの人。ポエニ戦争で戦死。
     f  エウクレイデス(ユークリッド)   平面幾何学を完成。
 医学 解剖学の基礎ができる。
 ・自然科学・医学 →g イスラーム の文化に継承される。
4.美術:a  ミロのヴィーナス   ・b  ラオコーン  ・c  サモトラケのニケ  
    ペルガモンの大祭壇など → ローマ文明に継承される。
  → インド(ガンダーラ美術)を経て、中国・日本(飛鳥文化)にまで及ぶ。

★ギリシアやローマの文芸や学問はヨーロッパでは「b  古典古代  」と言われている。



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