印刷 |  通常画面に戻る |

第6章 ヨーロッパ世界の形成と発展

4 西ヨーロッパの中世文化

 

Text p.156

ア.教会と修道院
 教会  a ローマ=カトリック 全盛の時代であった西ヨーロッパ中世、各地に建設される。
・信者の日常生活に深く関わり絶大な権威を持つ。
  → そこから追放されることがb 破門 
 修道院  聖職者の修行の場所。キリスト教の理念を深め、文化的な役割を果たす。
・529年 a ベネディクトゥス   イタリアのb モンテ=カシノ に建設。
  =c ベネディクト派 を修道院建設。 d 「清貧・純潔・服従」  を戒律とし、
  e 「祈り、働け」 をモットーとする。→ 古典古代の労働観に代わる。
  → 9世紀 西ヨーロッパのすべての修道院を管轄する。
  → 次第に教会と同じように、修道院も領主化し、腐敗・堕落が起こってくる。
 修道院運動    910年 a クリュニー修道院  設立。(前出)
・1073年 ローマ教皇b グレゴリウス7世 の改革。→ 叙任権闘争(前出)
 11世紀末 c シトー派修道会  創始 (フランスの中部)
  → 12~13世紀 d 大開墾時代 を展開し、十字軍運動の背景となる。
 托鉢修道会  教会の財産所有を否定、清貧と信仰に生き、民衆の中に入る。
・13世紀 a フランチェスコ会  創始( アッシジのフランチェスコ が創始)、
      b ドミニコ会 (スペイン) → 異端審問で活躍。
 神学   中世では学問もキリスト教の支配下にはいり、神学が最高の学問となる。
  知識人=聖職者・修道士の国際的共通語としてa ラテン語 が用いられる。
   382年頃  ヒエロニムス が聖書のラテン語訳(ウルガータ)を行う。
イ.中世のルネサンス
 カロリング=ルネサンス  8~9世紀 フランク王国のa カール大帝 の宮廷で展開。
・b アルクィン :イギリス出身。カール大帝のアーヘン宮廷に招かれ古典研究を始める。
    → 学校を建てて、ローマ時代の 7自由学科 などラテン文化の復興に努める。
  ▲ カロリング小文字体 の普及 修道院で写本作成のために使われ、現行活字体の元となる。
 スコラ学  11~12世紀に隆盛。a スコラ =教会や修道院の付属学校。

Text p.157

・b 普遍論争 :「普遍」は現実に実態として存在するか、名目のみのものかという論争。
   c 実在論 :d アンセルムス  ら、神や普遍的な観念を実在するもの主張。
   e 唯名論 :f アベラール  ら、神や普遍的な観念は名目にすぎないと主張。
 12世紀ルネサンス 
・12世紀 十字軍運動により東方との交流盛んになったことによって生じたヨーロッパ文化の変化。
 ・スコラ哲学の隆盛
  ビザンツ帝国やa イスラーム を通じてギリシアの古典がもたらされる。
  → b アリストテレス の哲学によるキリスト教神学(スコラ哲学)の体系化がすすむ。
  → 13世紀 c トマス=アクィナス  実在論の体系をまとめ、スコラ学を大成。
         d 『神学大全』 を著す。 → 教皇権の理論的支柱となる。
  = ▲e ”哲学は神学の婢(はしため)” と言われ、理性も信仰に役立つものととえらた。
 ・その他の新しい動き
  f 大学 の成立、g ゴシック式 建築の始まり、h 騎士道物語 の発生など(いずれも下掲)
D 近代合理思想の萌芽 13~14世紀、イスラーム科学の影響を受ける。
・a ロジャー=ベーコン :13世紀 イギリス。オックスフォード大学でスコラ哲学を教える。
  → イスラーム科学の影響を受け、観察と実験を重視した近代的自然科学への道を開く。
 b ウィリアム=オブ=オッカム :14世紀 イギリス。唯名論を復興し、神学と哲学の分離を説く。
 大学  12世紀に教会や修道院付属のとして発生、商業復活とともに都市に移る。
  → 教皇や皇帝から特許状を得て、一種のa 教授と学生のギルドとして自治権を認められる。 
  学科:神学・法学・医学の3学部と哲学(人文学部)がそれって完全な大学=▲b ユニベルシタス とされた。
  科目:▲c 7自由学科 :教養科目として文法・修辞・弁証法・算術・幾何・天文・音楽。

Text p.158

 ・中世ヨーロッパの主な大学
  イタリア:d ボローニャ大学 (最古の大学とされる。法学で有名)
       ▲e サレルノ大学 (アラビア医学を導入した医学)
  フランス:f パリ大学 (神学部=ソルボンヌが有名。トマス=アクィナスも教授。)
  イギリス:▲g オックスフォード大学 (神学の研究) ▲h ケンブリッジ大学 (法学)
  ドイツ領:▲i プラハ大学 (現在チェコ。ドイツ領最古の大学。カール4世が創建。)

ウ.美術と文学
1.美術:教会建築とそれに付属した彫刻・絵画(壁画)が発達。
 中世初期のビザンツ様式(前出)の模倣から、しだいに独自の様式を持つようになる。
 ロマネスク様式   11世紀ごろ
・特徴:a 半円状アーチと厚い壁、小さな窓。  = 重厚、荘重な安定感。
  例:クリュニー修道院(仏)  b ピサ大聖堂 (伊) ヴォルムス大聖堂(独)
 ゴシック式  12~13世紀
・特徴:a 尖塔アーチと穹窿天井、高い塔、薄い壁、広い窓にステンドグラスによる装飾。 
  = カトリック全盛期の強い信仰心を象徴し、豊かな都市の商人の経済力を背景とする。
  例:フランス b ノートルダム寺院 (パリ) サン=ドニ修道院(最古のゴシック式)
       ランス大聖堂 (クローヴィス洗礼の伝承で有名)  アミアン大聖堂  
      c シャルトル大聖堂 (ステンドグラスで有名)  
    ドイツ d ケルン大聖堂  ドイツ最大の建造物 → 19世紀に完成。
    イギリス  カンタベリー大聖堂 ウェストミンスター大聖堂  
14世紀 ルネサンス様式へ

2.文学 :学問はラテン語が用いられたが、庶民の中には口語(俗語)で書かれた文学が広がる。
 =a 騎士道物語 
  ドイツ:b 『ニーベルンゲンの歌』 (ゲルマンの古伝説の英雄詩)
  フランス:c 『ローランの歌』 (カール大帝の時代の騎士の武勇を歌う騎士物語)
  イギリス:d 『アーサー王物語』 (ケルト人の古伝説から発展した英雄物語)
 12世紀 e 吟遊詩人 の活動
  南フランスでは トゥルバドゥール 、ドイツではミンネジンガー と言われる。
  各地を遍歴し、市場や宮廷で騎士たちの恋愛を主題にした詩を吟じた。
 


ノート表示メニュー
通常モード
解答表示モード
解答非表示モード
解説表示メニュー
解説の表示
解説の非表示
印刷メニュー
ノート印刷解答なし
ノート印刷解答あり
選択事項解説の印刷

上の文の空欄をクリックするとここにその事項の解説が表示されます。
メニューの「解説の非表示」をクリックすると解説は表示されません。「解説の表示」で表示に戻ります。

▲ページの先頭へ