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ファラオ

古代エジプト王国での国王。太陽神ラーの化身、の意味。強大な権力を持ち、古王国ではピラミッドを造営した。ペル=アアという称号が新王国時代から王の尊称となった。

 エジプト王国の王をファラオという。「太陽神ラーの代理者」という意味で、神権政治を行い、古王国ではピラミッドを造営し、また中王国、新王国でも絶大な権力を振るった。

ファラオの意味

 エジプト新王国時代以降の王たちを「ファラオ」と呼ぶことがある。ヒエログリフでは、王の総称として「ペル・アア(大きな家)」という語を使ったが、それが転じたものである。日本で天皇を「御門」と呼ぶが、それと同じニュアンスで、本来はエジプト王を婉曲に指し示すことばであった。「ペル・アア」をあらわす文字は、古代エジプトの遺跡の中でも、プトレマイオス朝とその後のローマ時代(合わせてグレコ・ローマン時代と呼ぶ)の神殿などではしばしば見られる。この時代の王たちは純粋エジプト人ではなかったから、その名前をカルトゥーシュ(ヒエログリフで王の名前を囲んで示す楕円形の王名枠)の中に刻むときに固有名詞ではなく「ペル・アア」としておけば簡単で書きやすかったためと思われる。<村治笙子/仁田三夫写真『カラー版古代エジプト人の世界』―壁画とヒエログリフを読む― 2004 岩波新書 p.7-8>

参考 ファラオ=エジプト王 見方の変化

 エジプトの歴史はピラミッドが造られていたいた古王国の時代から、ラメセス2世などで有名な新王国の時代までだけでも1000年以上もある。注意しなければならないのは、古代エジプトの歴史を考えるときに陥りやすい錯覚で、ピラミッド建造もラメセス2世も古代エジプト文明の出来事で、ナイル川の流れように変わっていないと思いこんでしまうことだ。現在では考古学のテクノロジーの発展で、時期的な違いが大きいことが明らかになっている。
(引用)研究者の環境や時代背景も歴史の見方に影響してくる。かつては、エジプトの王はたくさんの奴隷たちを使って、ピラミッドを造ったように考えられたが、いまはもうそう考える人はいない。ナイル川の氾濫に伴う農閑期の仕事と考えられるようになった。専制君主として、神として君臨したと考えられた王の性格については神性よりも人間性の方が語られるようになった。3000年の長いエジプト史の研究も、時代ごとに目配りできるようになってきた。<村治笙子/仁田三夫写真『カラー版古代エジプト人の世界』―壁画とヒエログリフを読む― 2004 岩波新書 p.7-8>
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村治笙子/仁田三夫写真
『カラー版古代エジプト人の世界』
―壁画とヒエログリフを読む―
2004 岩波新書