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ティアワナコ文化

アンデス文明のなかの地域文化の一つ。

アンデス山中のペルー、チリ、ボリビアにまたがる高原地帯に生まれたアンデス文明の一段階を画する文化。その成立の時期は不明な点が多いが、モチカ文化やナスカ文化と同じ開花期にあたっていると考えられる。特徴は巨石をくみ上げた石造建築で、代表的なものに「太陽の門」がある。また動物(ピューマ)などをモチーフとした土器、多彩な織物などの技術を発達させ、綴れ織りはアンデスで最も美しいとされている。この文化は1000年頃からアンデスの高原地帯だけでなく、海岸部などを含む全域に広がる。その段階のワリ文化と併せてティアワナコ・ワリ文化とも言う。

Episode 海抜4000mの文明

 アンデス高原の海抜3800m、つまり富士山より高いところにチチカカ湖がある。氷河が溶けてできた氷蝕湖で水は切れるように冷たい。その南岸のティアワナコという小さな村に、長さ1000m、幅450mに及ぶ大遺跡群が横たわっている。その中に巨石を積み上げたピラミッドとともに、「太陽の門」がある。門の上部には幅3m、長さ3.75m、重さ10トン以上の一枚岩が乗せられ、表面に大きな神像が浮き彫りにされている。付近は住居跡などほとんど見つかっておらず、この古典ティアワナコ遺跡は巡礼の集まる神殿であったと思われる。<泉靖一『インカ帝国』1959 岩波新書 p.76-80>