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格物致知

宋学(朱子学)を大成した朱熹の説いた、「物(外的な事象)に格(いた)ることによって知(真理)に到(いた)る」という認識論。

 かくぶつちち、と読む。宋代に興った朱子学(宋学)の重視する方法論。「格」は至る、「物」はあらゆる物事を意味し、「格物致知」とは事物の真理を究明することを意味する。この言葉は『大学』に、「知を致すは、物に格(いた)るに在り、物に格り、しかるのち知、至る。知、至り、しかるのち意(こころ)、誠なり。意、誠にして、しかるのち心、正し。心、正しくして、しかるのち身、修まる。身、修まりて、しかるのち家、斉(とと)のう。家、斉のいて、しかるのち国、治まる。国、治まりてのち、天下平らかなり。」とあり、格物→致知→誠意→正心→修身→斉家→治国→平天下という、最後に治国平天下にいたる方法論の第一歩とされた。
 「格物致知」は、朱熹(朱子)が真理を認識するための方法論として提唱し、その「性即理」の理念と共に朱子学の認識論として重視されていたが、次第に形式的な知識主義、主知主義に陥っていった。それに対する疑問を呈したのが明の王陽明であり、彼は自身の心にこそ物を認識する力があるとして「致良知」と言い、知識と行動を分離させるべきではないいとして「知行合一」を説いた。  
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第3章3節 オ.宋代の文化