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知行合一

王陽明が強調した陽明学の理念。

 ちこうごういつ。陽明学の重要な理念のひとつ。性即理の思想を批判し、心即理の理念に立った王陽明は、朱子学の中心的な方法論である格物致知に対しても、全く違った理解を示した。王陽明によれば、『大学』の言う「格物」の格は「至る」と読むのではなく、「正す」と読むべきであり、「物」とは事にととまらず「意のあるところ」である。「致知」の知は外縁的な知識を増やすことではなく、「良知」のことである、と解釈した。つまり「格物致知」を「心の不正をただし、良知を実現すること」ということになる。このように考えれば、知(学ぶこと)は行うこととは別のことではなく、全く一体のことでなければならないと主張した。これが「知行合一」の考えである。さらに「良知」の理解は、「万物一体にして生々やむべからざるもの」という宇宙の根源への探求に向かうことであった。この知行合一は陽明学の重要な思想となり、日本の陽明学者大塩平八郎が、大塩の乱を起こす原動力ともなった。
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7章1節 オ.明後期の社会と文化