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ロング=ドライブ

アメリカでのカウボーイによる牛の大群の遠距離移動。

 南北戦争が1865年に北部の勝利で終わり、1869年大陸横断鉄道が開通すると、テキサスやニュー・メキシコで放牧されいる牛を東部市場に送るために、南部から北部の鉄道の駅までの長い距離をカウボーイたちが牛を追い立てて進む長距離輸送(ロング=ドライブ)がはじまった。

Episode テキサス・ロングホーン

 テキサス・ロングホーン(長角牛)はスペイン人の探検家や伝道者がもたらしたものだが、長い間に迷いだして野生化した。1830年代にアメリカ人がテキサスに進出したときには沢山の野生のロングホーンが生息しており、彼らはそれを捕獲して家畜化していった。テキサス・ロングホーンは厳しい風土に順化し、草や水を自分で見つけ出す能力を持っていたので、広大な牧場で放し飼いにされ、年に一度のラウンドアップ(春、放牧された牛を集め、生まれた仔牛に持ち主の焼き印を捺す作業)が行われた。それに熟達していった牛飼いの男たちが「カウボーイ」である。鉄道が開通すると、牧畜業者にとって、突如東部の大市場が出現した。テキサスやニュー・メキシコの牧畜業者は、牛を北部の鉄道の駅まで連れて行くというロング・ドライブを行うようになった。数千頭のロングホーンを移動させるのは大変な作業で、カウボーイたちをうまく統率する必要があった。牛の暴走というもっとも恐ろしい事故や、牛泥棒、盗賊の襲来など危険もいっぱいであったが、その利益は莫大なものがあった。<ダニエル・J・ブアステイン/新川健三郎・木原武一訳『アメリカ人』* 1973 河出書房新社などによる>