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エヴァ=ペロン

1940年代後半、アルゼンチンの独裁政治を行ったペロン大統領の妻。国民的な人気があったが1952年に急死した。

エヴァ=ペロン
Eva Maria Peron
(Evita)
 1940年代後半から50年代、アルゼンチンペロン政権は、典型的なポピュリズムとされている。その人気を支えていたのが、夫人のエヴァであった。エヴァは愛称エビータと呼ばれ、夫を支え、大統領夫人として発言し、また外交使節ともなって活躍した。
 エビータは貧しい家庭に生まれ、ブエノスアイレスに出てラジオ局に勤め、あるパーティでペロンと会ってその愛人となり、結婚した。1945年に反ペロンの動きが出ると労働組合の先頭に立って戦った。46年、ペロンが大統領選挙に出馬すると、労働者の味方であると国民に訴え、夫を当選に導いた。上流階級や地主たちからは「成り上がり女」と軽蔑されたが、国民は貧しい家に生まれた女優上がりの大統領夫人を熱狂的に支持した。彼女は国内では孤児院や病院建設のための財団を設立し、また特使としてヨーロッパを歴訪、ローマ教皇とも会見するほどになった。しかし、過労からか病に倒れ、1952年にあっけなく死んでしまった。エヴァの死を悼んで押しかけた群衆によって圧死者が8人もでたほどであったという。アルゼンチン国民にとってエビータはマドンナだった。<中屋健一『ラテン・アメリカ史』1964 中公新書 p.202> 右の図はアルゼンチンの切手になったエヴァ=ペロン。

Episode マドンナの『エビータ』

 このエビータを見事に演じたのが現代のスター、マドンナだ。『エビータ』は1976年にアンドリュー=ロイド=ウェーバーが発表したミュージカルで、96年にマドンナ主演で映画化された。マドンナの熱演、音楽もさることながら、1950年ごろのアルゼンチンの社会と政治情勢が無理なく再現されており、ぜひ一見の映画です。サウンドトラックはCD化されています。
 Don't cry for Me Argentina/Madonna/EVITA Soundtrack
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DVD案内

アラン=パーカー監督
『エビータ』
主演 マドンナ