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フロイト

19世紀末から20世紀初頭、精神分析療法を発展させ、精神分析学を創始した心理学者。ユダヤ人であったため、ナチスドイツの迫害を避けて1938年ロンドンに亡命した。

 フロイトは1856年、オーストリアの貧しいユダヤ人の羊毛商人の子として生まれて医師となり、神経症の治療に取り組み、19世紀の終わりごろ独自の精神分析療法を確立した。彼が「精神分析」という術語を初めて使ったのは1896年といわれている。さらに1900年に『夢判断』、1917年に『精神分析入門』を発表、その精神分析学は精神医学のみならず20世紀の思想に大きな衝撃を与えた。
 彼は夢や様々な神経症の分析と治療を通じ、人間の精神の中の「無意識」の存在を明らかにし、またその根元的なものはリビドー(性衝動)であると考えた。彼の分析は文化や社会のあり方にも及びんだ。彼がユダヤ人であったこと、タブーであった性を正面から取り上げたことから迫害を受け、生涯は不遇だった。彼の精神分析の影響を受けた人々は多かったが、その一人ユングは途中からフロイトとは考えを異にし、個人的無意識のさらに深層に集合的(人類的)無意識が存在することを主張した。
 1933年、ドイツの権力を握ったヒトラーのナチスドイツは、1938年三月、オーストリア併合を強行し、そのユダヤ人迫害がウィーンにも及んできたため、ユダヤ人であったフロイトはロンドンに亡命した。亡命先のロンドンで翌1939年に死去した。
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第17章4節 ウ.現代文化