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遠近法

15世紀、イタリア=ルネサンスで始まる絵画技法。人間の視覚でとらえた場面の表現が可能となった。

 遠近法(パースペクティヴ)は、フィレンツェのサンタ=マリア大聖堂の設計中に、ブルネレスキが気づいて、作図を始めたという。1436年のアルベルティの『絵画論』がその理論を展開した最初の書となり、たちまちのうちにさまざまな実験的な作品が作られた。マサッチョ、フラ=アンジェリコなどが初期の遠近法の作品を残している。そしてレオナルド=ダ=ヴィンチの『最後の晩餐』の背景が遠近法で描かれ、見る人に臨場感を深みを感じさせる作品となった。また、遠近法(透視画法)は、人間の視点から世界を見るという人間中心世界像の登場を意味する、との指摘もある。<高階秀爾『フィレンツェ』1966 中公新書 p.91>
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高階秀爾
『フィレンツェ』
1966 中公新書