サンタ=マリア大聖堂
フィレンツェの中心部にある大聖堂。ルネサンス様式を代表する建造物。15世紀前半、ブルネレスキが大円蓋を完成させた。
フィレンツェのサンタ=マリア大聖堂 大円蓋
Episode ブルネレスキ、人夫とかけひき
サンタ=マリア大聖堂の大円蓋の工事中、石を積み上がる工事に熟練した人夫たちが賃上げを要求してストライキを起こした。ブルネレスキはただちにストライキに加わったものを全員解雇し、ミラノから新しく人夫たちを雇ってきた。熟練した人夫たちは新米の人夫にはこの仕事はできないだろうという計算だったが、案に相違してブルネレスキはたった一日で新しい人夫たちに仕事の要領を覚えさせて、すこしも不自由を感じなかった。その様子を見て、解雇された人夫たちが自分たちにも働かせてほしいと頼みに行くと、以前よりも安い賃金で復帰させたという。<高階秀爾『フィレンツェ』1966 中公新書 p.104>