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第1章・オリエントと地中海世界

★★ 古代ギリシア・ポリス民主政 

2009 成城大・経済

【問】次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

 インド=ヨーロッパ語系のギリシア人が東地中海世界に南下してきたのは、前2000年頃からである。すでに、この地には、先住民の文明が( a )島、小アジア西岸の(A)トロイアなどに栄えていたが、ギリシア人は、そうした文明と交流をもちながら大小の王国をギリシア本土に形成して( b )文明を生み出し、前1400年頃には、( a )文明の中心であるクノッソスを征服し、( a )島をも支配した。  しかし、ギリシア人の第二波である( c )人や「( d  )」と総称される系統不明の諸民族によって、前1200年前後に東地中海世界全体にわたって生じた民族大移動の結果、( b )をはじめとする各地の王宮が破壊され、放棄されたことによって、この( b )文明は崩壊した。
 続く400年間の「暗黒時代」を経て、前8世紀頃からギリシアでは、それぞれが政治的に独立の権力をもつ都市国家であるポリスが多数出現した。ポリスは、(B)貴族たちの指導の下で、アクロポリスと( e )を中心とする集住によって形成される場合が多かった。ところが、平民が軍事的、経済的に力を持つようになると、政治を支配する(C)貴族との間に対立が生じた。すると、不満を抱く平民の支持を得ることによって、(D)従来の貴族政治を打倒して権力を一身に掌握する独裁者が出現する例が見られた。しかし、この独裁者による政治は、その子の代になると単なる暴政におちいることが多く、この弊害に立ち向かうために、やがて各地のポリスにおいては、(E)アテネで典型的な発展を示したような民主政治が形成されることになった。
問1
文中の空欄a~eを埋めるのに最も適切な語句を記せ(同一記号は同一語句)。
問2
下線部(A)について、
(1)
このトロイアとギリシア連合軍の伝説の戦いが、前8世紀にまとめられたといわれる2つの叙事詩に描かれている。この2つの叙事詩は何か。
(2〉
上記(1)の叙事詩の描く世界の実在を信じてトロイアの遺跡などを発掘しその実在を証明した19世紀ドイツの考古学者は誰か。
問3
下線部(B)について、アテネで貴族の集団指導体制を形成した9人の執政官は、何と呼ばれたか。
問4
下線部(C)について、こうした対立をうかがわせるものとして、貴族による法の恣意的解釈を防ぐ目的で行われた慣習法の成文法化がある。これを行ったのは誰か。
問5
下線部(D)について、
(1)
こうした独裁者は、何と呼ばれたか。
(2)
こうした独裁者のうち、アテネで、農民を保護し文化を奨励したことで知られる人物は誰か。
問6
下線部(E)について、ポリスの民主政治の特徴を、今日の民主政治との比較で80字以内で述べよ。ただし句読点は1字とせよ。
 

解 答

問1
クレタ ミケーネ ドーリア 海の民 アゴラ
問2 (1) イリアス・オデュッセイア (2) シュリーマン
問3 アルコン 問4 ドラコン
問5 (1) 僭主 (2) ペイシストラトス
問6 市民権は両親ともアテネ生まれである18歳以上男子のみに限られ、彼らによる直接民主が行われ、女性や奴隷には参政権が認められていなかった。ほとんどの役人はくじで選ばれていた。
 
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