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ホモ=フロレシエンシス

2003年、フローレス島で発見された新種のホモ属化石。驚異のこびと族。

人間の脳容積

 脳容積はチンパンジーが約380CC、ヒトはその3倍以上の1350ccぐらいが標準である。猿人(アウストラロピテクス)とホモ属の違いも脳容積の違いに明らかであり、約700~800cc以上からがホモ属とされる。それに該当するのは原人(ホモ=エレクトゥス)からであるとされる。ホモ属にはより猿人に近いハビリスの他に、エレクトゥス、ハイデルベルゲンシス、ネアンデルターレンシス、現代のわれわれ(ホモ=サピエンス)などの種類がある。<『われら以外の人類』内村直之 朝日選書 2005年 p.16,p.134>
ヒトの脳は体重のわずか2%を占めるに過ぎないが、その消費エネルギーは全体の20~25%に及ぶ。安定した栄養をとり続けないと維持できない。大きな脳を支えたエネルギーは肉食だった。肉食を可能にしたのは石器を使って動物を殺し解体し、栄養の豊かな骨髄などを食べることできたことだ。このような石器の使用→肉食の効率化→脳の大型化という変化は原人の出現と一致している<『人類進化の700万年』三井誠 講談社現代新書 2005 p.66-89>

Episode 新発見のホモ属、ホモ=フロレシエンシス

 2003年、インドネシアの中部、フローレス島から不思議なヒトの化石が発掘された。島西部の山中の洞窟から見つかった人骨は地層から約3万8千年から1万4千年前の間にこの洞窟で暮らしていた人々のものであることが判ったが、不思議なのはその小ささだった。身長は1mぐらい、頭はグレープフルーツぐらいしかない。しかし歯の成長具合から見て立派な大人だ。発掘者はこの人骨にホモ=フロレシエンシスとの学名を与え、ホモ族に属する新種のヒトであると発表した。彼らは何故このように小型なのか。それは「島嶼性矮小化」と説明されている。敵がいないので小さくても生きていける、限られた蜀もとの中で小さい方が有利、などの条件が重なった島で動物が小型化する現象で、シチリア島では1mに縮んだゾウの化石が見つかっている。年代から見ると彼らとわれわれホモ=サピエンスがフローレス島で共存していたとしても不思議はなく、彼らが何故絶滅したのか興味深いものがある。<『われら以外の人類』内村直之 朝日選書 2005年 p.6-14>
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ノートの参照
序章1節ア.人類の進化
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内村直之
『われら以外の人類』
2005年 朝日選書