京劇
中国を代表する歌舞演劇で、北京で盛んになり、世界的に知られている。
18世紀の終わり頃、清代の北京で盛んになった大衆的な演劇。元にさかのぼる元曲の伝統の上に、安徽省などから伝えられた二黄という節を付けて歌う芝居が融合してできたという。日本の歌舞伎に似た隈取りをした役者が歌いながら踊り、演じるもので、大衆的な人気が高く、名優もたくさん出た。
二人の俳優の愛情と憎悪の物語なのであるが、なによりも、京劇という中国民衆の伝統芸能がどんなものだったか、そして京劇が中華民国・日本軍・国民政府・共産党と続く政治権力の交代の中で命をつなぎながら、その封建的体質が文化大革命で激しく糾弾をうけることになったという歴史そのものが重厚に描かれている。京劇という物を知るとともに、近現代の中国を知るうえでもっとも良質が映画であると感じた。ぜひご覧になることをお勧めする。
映画 『さらば わが愛 覇王別妃』
1993年、中国・香港・台湾の合作映画『さらば わが愛 覇王別妃』は、京劇の世界を舞台として、20世紀中国の激動を描いた作品として同年のカンヌ映画祭のパルムドールを受賞、日本でも大きな話題となった。監督は陳凱歌(チェンカイコー)、主演の女形役をレスリー・チャン、相手の覇王役をチャン・フォンイー、その妻役をコン・リーが演じた。物語は孤児同様に京劇劇団に拾われた少年小豆子とその兄貴分の“石頭”の二人の愛と別離を軸に展開する。二人は、厳しく、時に師匠の理不尽なしごきに耐えながら成長し、やがて京劇の代表的な演目「覇王別妃」の主役、虞妃と覇王コンビ(例の「史記」の四面楚歌の話を題材としている)として大成功を収める。しかし二人の愛情は石頭が妓楼の女と結婚したことから微妙になっていく。しかも時代は日中戦争の勃発、日本軍敗戦後の国共内戦、共産党政権のもとでの文化大革命へと激しく移り変わり、二人は次第に険悪な仲になっていくと同時に京劇そのものも時代の波に大ききさらされるようになる。映画は京劇とその俳優、観衆という狭い世界の中から、現代中国の歴史が描くのだが、表舞台の華麗な京劇の場面と、その裏側の役者やパトロンのドロドロした場面が自然に展開していき、3時間を越える大作だが飽きることはない。二人の俳優の愛情と憎悪の物語なのであるが、なによりも、京劇という中国民衆の伝統芸能がどんなものだったか、そして京劇が中華民国・日本軍・国民政府・共産党と続く政治権力の交代の中で命をつなぎながら、その封建的体質が文化大革命で激しく糾弾をうけることになったという歴史そのものが重厚に描かれている。京劇という物を知るとともに、近現代の中国を知るうえでもっとも良質が映画であると感じた。ぜひご覧になることをお勧めする。
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『さらば、わが愛 覇王別妃』 |
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加藤 徹 |