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万能人

ダ=ヴィンチなどに代表されるルネサンス期の人間観。

 ルネサンス時代の人間観として、職業や趣味にとらわれることなく、あらゆる事に普遍的な関心を持ち、能力を発揮することが理想とされた。絵画や彫刻、建築などに通じ、また音楽や文学などにも親しみ、同時に科学的知識も豊かに持つというダ=ヴィンチに典型的に見られるが、他のルネサンス期の人びともおよそそのような傾向を持っていた。近代以降の資本主義社会での分業システムが細分化され、職業が固定化されてしまったが、それ以前の中世からルネサンス期までの人間はむしろ、このような「普遍的な人間」が当たり前の存在であったといえよう。なお、「万能人」をルネサンス期の人間のあり方として論じたのも、19世紀のドイツの歴史家ブルクハルトで、その著作『イタリア・ルネサンスの文化』で展開したものであった。
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8章2節 イ.文芸と美術