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ボシュエ

フランスの聖職者で、ルイ14世に仕え、王権神授説を説いた。

 17世紀フランスのブルボン朝の聖職者、神学者で、ルイ14世に仕え、皇太子の教育係となった。その著書である『世界史論』で「王位とは人身の位ではなく、神そのものの位である。それゆえに王者は地上における神の代理人として行動するものである」と説いて、フランスにおける王権神授説を理論づけた。モーの司教に任命されると、その熱心な説教や新教徒に対する攻撃で有名になり、「モーの鷲」と言われたという。
 1682年にルイ14世が司教任命権問題でローマ教会と対立すると、フランス教会の独自性を重視するガリカニスムの立場から「4カ条の宣言」を出し、教皇の優越権を否定して国王を支持した。この宣言は、オランダなど新教国と戦う際にローマ教皇の支持が得られなくなる恐れがあるので、ルイ14世によって撤回されるが、フランス教会のガリカニスムの傾向はその後も続いた。
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