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トレヴィシック

産業革命期のイギリスの発明家。蒸気機関車を最初に製作した。

 イギリスの産業革命期に、軌道の上に蒸気機関車を走らせることを思いつき、1804年に実現させた。これは、鉄道の出現の第一歩となったが、輸送機関としては実用化されなかった。本格的な蒸気機関の改良に取り組み、組織的に鉄道の営業を開始したのは、1830年代のスティーブンソンであった。

Episode 天才肌のトレヴィシックとその末路

 リチャード=トレヴィシック(1771~1833)は蒸気機関車を最初に考案、製作した人物である。1804年に南ウェイルズの鉄工場から運河までの貨物専用鉄道のために注文を受けて蒸気機関車を造っている。1808年にはロンドンのユーストンで自作の蒸気機関車を走らせ一般市民に披露した。だが、トレヴィシックは天才肌のところがあって、この見世物があまり世間から認められないとわかると、以後蒸気機関の改良に対する興味を失ってしまった。これに反して鈍才ではあったが、他人の発明品に改良を重ね、現実の用途に合うよう愚直な努力を惜しまなかったジョージ=スティヴンソンが栄誉を勝ち得ることになる。1825年にスティヴンソンがストックトン―ダーリントン間でロコモーション号の運転に成功して人びとの喝采を受けていたころ、トレヴィシックは中米のコスタリカあたりをうろついており、その後もペルーで詐欺にあって帰るに帰れなくなり、スティヴンソンとその息子から旅費を工面してもらってようやく帰国、1833年に貧窮のうちに死んだ。小池滋『英国鉄道物語』1979 晶文社 p.21>
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ノートの参照
10章1節 イ.機械の発明と交通機関改良