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ロレンス

イギリス人で第一次世界大戦中にオスマン帝国の自立をめざすアラブの運動を支援。

 第一次世界大戦中に、イギリス軍将校として、アラブ民族国家の独立運動を支援し”アラビアのロレンス”として知られた人物。
 トマス=E=ローレンスはオックスフォード大学卒の歴史学者であったが、中東への知識を買われてイギリス軍情報将校となり、エジプト・カイロのイギリス軍総司令部勤務となった。フセイン=マクマホン協定が成立し、1916年、アラビアのヒジャーズ地方(紅海沿岸)でトルコに対する反乱が起きると調査のために現地に派遣を命じられ、反乱軍の指導者メッカ総督ハーシム家のフセインの息子ファイサルと友好関係を結び、そのゲリラ部隊の顧問としてトルコとの戦いを指導した。
 彼らは鉄道爆破などでトルコ軍を攪乱し、アカバを陥落させ、1918年9月にはダマスクスに入城した。しかしイギリスはアラブと手を結ぶ一方、バルフォア宣言でユダヤ人への支援を約束するなど二重外交を行っていた。ロレンスは、大戦後のパリ講和会議にアラブ代表となったファイサルの通訳兼顧問として参加したが、結局この地域はイギリスとフランスの委任統治とされて彼のこの地域のアラブの独立という願いは達成できなかった。
 また、彼が支援したフセインもやがてアラビア半島中央部のネジド地方から台頭したサウード家のイブン=サウードとの戦いに敗れ、アラビア半島はサウジアラビア王国が統一することとなる。
 彼の著作『知恵の七柱』や『砂漠の反乱』は記録文学の傑作とされており、また彼を主人公としたイギリス映画『アラビアのロレンス』(デヴィッド・リーン監督)もよく知られている。