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石油戦略

第4次中東戦争勃発に際し、アラブ諸国が親イスラエル諸国に対して実施した原油輸出禁止・価格引き上げなどの措置。

 産油国であるアラブ諸国が結束し、原油輸出を停止することによって、原油輸入国に打撃をあたえようという、国際政治上の政策を石油戦略という。パレスチナ問題が深刻化する中、第4次中東戦争のさなかの1973年10月17日、アラブ石油輸出国機構(OAPEC)によって、アメリカ合衆国を中心とする親イスラエル諸国(非アラブ友好国)に対して打ち出された。OAPECの中心であったサウジアラビアは11月までに32%、クウェートは同じく36%を減産した。それは西側諸国全体の原油生産量の約10%にあたっていた。
 この原油輸出停止の前日には石油輸出国機構(OPEC)によって原油価格引き上げが一方的に宣言されており、アメリカ、ヨーロッパ、特に日本など、安価な中東原油に依存していた先進工業諸国は大きな経済的打撃を受け、第1次石油危機(オイル=ショック)と言われた。この石油禁輸は、1974年春には完全に撤廃され、石油供給に関する危機も急速に薄らいだ。<瀬木耿太郎『石油を支配する者』1988 岩波新書 などによる>