高祖から王莽の滅亡までを記述した前漢の正史で、後漢の
班固が著した。班固が宮中の政争に巻き込まれて獄死したため、妹の班昭が完成させた。『史記』と同じ「
紀伝体」のスタイルをとるが、『史記』が三皇五帝から漢までの
「通史」であるのに対して、前漢王朝のみを扱う
「断代史」である。このようは「紀伝体」による「断代史」は、後の中国の各王朝の正史のスタイルとして定着する。また、
『漢書』地理志には、「夫(そ)れ楽浪海中に倭人あり。分かれて百余国を為す。歳時を以て来たり献見すと云う」とあり、紀元前1世紀の日本に関する正確な記録となっている。