ギルド
中世のヨーロッパの都市で結成された同業者組合。
11世紀ごろから西ヨーロッパで形成されてきた都市において、その中核となって定住した商人たちが結成した相互扶助のための団体から始まる。初めは都市の有力な商人が中心となってつくられた「商人ギルド」が、都市の自治を獲得する上で大きな働きをし、次第に彼らは都市貴族として支配層を形成する。
なお、中世ヨーロッパの教会付属の教育機関から発展した大学も、教授と学生の一種のギルドとして形成された。
商人ギルドから同職ギルドへ
13世紀以降は、手工業者が職種別に「同職ギルド」を結成し営業権を独占するようになった。同職ギルドの手工業者は、都市の支配権をめぐって商人ギルドと対立し、ツンフト闘争を展開する。以後、ギルドは中世都市の中核として続くが、中世末期には生産力の高まりから資本主義的な生産が始まると、自由な生産と流通の障害となるギルドは次第に衰退し、市民革命期に廃止される。なお、中世ヨーロッパの教会付属の教育機関から発展した大学も、教授と学生の一種のギルドとして形成された。