11世紀後半から13世紀前半までの約2世紀間は、大開墾時代といわれ、森林や原野が開かれ、低湿地は埋め立てられていった。それを可能にしたのは、冶金術の発達による、金属製の斧や鎌の普及であった。切り開かれた耕地では牛馬に牽かせた
有輪犂によって土地を耕し、
三圃制で作物が生産された。
このような開墾を進める原動力の一つが修道院であり、修道士たちは労働を喜び、盛んに周辺の森林の開拓と開墾を進めた。
ベネディクト派や
シトー派の修道院がとくに大開墾時代の推進役であった。
右図はシトー派修道会の修道士が、森林を伐採して開墾をすすめている図。
<『欧州共通教科書 ヨーロッパの歴史』1994 東京書籍 p.138>