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官僚制

ヨーロッパの主権国家を支える機構が世襲的貴族から官僚に移行した。

 ビューロクラシー(bureaucracy)。中世封建社会の貴族制のもとでの世襲的な封建家臣団に対し、国家のさまざまな機構の業務を各人の能力で選抜された官僚が、組織的に行うシステム。中国では古代・中世を通じて科挙制による官僚制が維持され、20世紀初頭まで続いたが、ヨーロッパではそのような長期的な制度は発生しなかった。ヨーロッパではおおよそ16~17世紀ごろ、主権国家体制絶対王政)の形成とともに、没落しつつあった封建領主層がまず廷臣として絶対王政を支える存在となって、そこから官僚制が形成された。近代国家では官僚制が急速に発展し、職務権限の明確化、給与体系、採用や昇級の制度、文書による業務処理などを特徴としている。官僚制が成立し、その組織が膨大になると、官僚を支える国家財政が必要となり、税制・軍事制度、さらに官僚の育成のための教育制度など、近代国家のさまざまなシステムが連動して形成されてくる。
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