・ゴヤ Francisco de Goya 1746~1828 は、スペイン(7)の画家。ロココ美術の末期にあたり、繊細な自然の光を多用した明暗に富む作風をもつ。1789年にスペインのカルロス4世の宮廷画家となり国王一家の肖像画を描いた。その生涯も明暗二つの部分に分けられ、前半生の明るい行動的な放蕩者が、後半生では陰鬱で残酷なまでの人生の観察者に変貌している。それは中年になってからのアルバ公夫人との恋だけではなく、若い頃の放蕩の報いか、40代半ばに聴力を失ったことによる。それまで外面に向けられていたゴヤの眼が、人間の心の内に向けられるようになった。傑作と言われる二点の『マハ』、『気まぐれ(カプリチョス)』がある。 1808年5月3日1808年のナポレオン軍のスペイン侵攻に対して、スペインの民衆が蜂起して戦ったスペインの反乱での、ナポレオン軍によるマドリードでの残虐行為を描いた『1808年5月3日』は、その緊迫したシーンを描いている。また、版画集『戦争の惨禍』では、民衆の戦いと苦難を鋭いタッチで描き、戦争そのものを告発している。これらはいずれも後半生のものである。