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ゲーテ

18~19世紀初頭、ドイツ古典文学の代表的文学者。ヴァイマール公国で政治家としても活躍。代表作は『ファウスト』

 ヨハン=ウォルフガング=ゲーテ(Goeth 1749~1832)はフランクフルトの富裕な市民として生まれ、24歳の時に『若きウェルテルの悩み』を発表した。これは、自身の恋愛経験から、因習と伝統を否定して個性と自由に生きる生年を描き、ドイツにおける疾風怒濤(シュトルムウントドランク)の時代の先駆けとなった。大学卒業後は弁護士となり、ヴァイマール公国に招かれ、30歳で大臣に抜擢されるという政治家としても成功を収めた。その後も人妻との恋愛や女工との恋愛、結婚など人生経験を重ねる。フランス革命が起こると、プロイセンの革命干渉軍に加わって従軍したが、ヴァルミーの戦いに遭遇、プロイセン軍の敗北を見て「この日ここから、世界史の新しい時代が始まった」 と日記に記したと言われている(これには疑問もある)。

『ファウスト』などを発表

 1794年からはヴァイマールでシラーとの交流が始まり、いよいよ文学活動を本格化させ、以下、『ヴィルヘルム=マイスターの修業時代』では教養小説として、『ヘウマンとドローテア』は叙事詩として、ドイツ古典主義(文学)の傑作とされる作品を発表した。晩年は、自伝的な『詩と真実』、『イタリア紀行』を書き継ぎながら、『ヴィルヘルム=マイスターの遍歴時代』で『修業時代』に続く時代を大河的に描き、『ファウスト』(第一部は1808年、第二部は1831年に発表)では壮大なスケールで人間世界を描いた。臨終に際して「・・・もっと光を」とつぶやいたという。
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書籍案内

星野慎一
『ゲーテ』
Century Books―人と思想
2014 清水書院