小協商
戦間期の1920~21年、ユーゴ、チェコスロヴァキア、ルーマニア三国が結んだ安全保障体制。
第1次世界大戦後の1920~21年にユーゴスラヴィア王国、チェコスロヴァキア共和国、ルーマニアの3国にそれぞれ個別に結んだ協商(協力の取り決め)を総称し、小協商(Little Entente)という。当初は、ハンガリーの領土回復の動きに対抗するため、ハンガリーを取り囲む3国の協調体制であったが、しだいにドナウ川流域諸国の相互安全保障体制としての意味を持つようになる。同時にドイツとイタリアのファシズムの台頭に脅威を感じたフランスが小協商と接近し、その支援で結束を固めた。1933年からは常設理事会を設け、定期的な会合を持つようになったが、1934年にはユーゴスラヴィア国王アレクサンダルがフランス訪問中にファシストのテロで殺害されるなど、ナチス・ドイツの台頭に対する足並みが揃わず、次第に衰退した。