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ユネスコ/UNESCO

国際連合の専門機関の一つである国際連合教育科学文化機関。本部はパリ。

 UNESCO United Nation Education,Scientific and Cultural Organization 国際連合教育科学文化機関の略称。1946年に創設された国際連合の専門機関の一つ。本部はパリ。教育・科学・文化の国際協力を推進し、それによって世界の平和と安全に貢献するを目指している。
 1954年にはユネスコの主導によって「武力紛争の際の文化財の保護に関する条約」がオランダのハーグで締結された。これはハーグ条約とも呼ばれている。ハーグは1899年と1907年にハーグ万国平和会議が開催されたところとしても知られている。
 1972年にはユネスコ総会で、世界遺産条約を採択し、人類全体の世界の自然、および文化の遺産を保護、保存することを目指している。

アメリカのユネスコ脱退と復帰

 1980年代には発展途上国諸国が主導権を握ったことに対して、アメリカ合衆国が反発し、1984年に脱退した。これは1977年の国際労働機関(ILO)からの脱退に次ぐ、アメリカ合衆国の国際連合に対する批判が強まった結果であった。アメリカの脱退理由は、ユネスコが(1)過度に政治化していること、(2)国家至上主義的な政策傾向があること、(3)事務局が不効率で予算が膨張していること、の三点であった。端的に言えば、ユネスコは第三世界およびソ連よりの機関になっているということだった。それらの批判は多くは事実に反していたが、ユネスコ側でも改善が進んだ結果、2003年に復帰した。<最上敏樹『国連とアメリカ』2005 岩波新書 p.167->
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