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重要産業国有化

第二次大戦後のイギリスで労働党内閣が進めた政策。イングランド銀行、石炭、通信、航空、電気、鉄道、ガス、鉄鉱などを国有化した。

 第二次世界大戦末期のイギリスで成立した、アトリー労働党内閣が公約し、実現させた重要政策。それは国民経済の根幹をなす重要産業が一部資本家に私物化されていることによって生じる資本主義のゆがみを是正し、国民全般の福祉を向上させることをめざしたもので、労働党結党以来の基本政策であった。
 1946年にまずイングランド銀行を国有化し、ついで石炭、通信、航空、電気、鉄道、ガス、鉄鋼などが次々と国有化された。保守党や財界からは強い反対があったが、社会保障の充実とセットとなった労働党の政策は国民の支持を受けた。国有化に際しては旧所有者や株主には公債という形で補償が行われた。これらの国有化はイギリス全産業では約20%にあたり、完全な社会主義となったとは言えず、市場経済と社会主義経済が混在した形態といえる。
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