印刷 | 通常画面に戻る |

道士

道教の教職者、修行者。道観(道教寺院)で宗教活動を行う。

 道教の教職者、修行者を道士という。仏教での僧侶にあたる。その居所が道観である。なお、男性の道士を乾道(けんどう)、女性の道士を坤道(こんどう)といっている。明代以降の道教は、華北に広がった改革派の全真教と、江南で優勢を保った従来の天師道系の正一教の二大宗派に分かれるが、この二派の道士の資格には大きな違いが生じた。全真教の道士は出家しなければならず、厳しい修行を経て授戒することによって資格を得ることが出来るが、正一教の道士は在家のままで可能であり、先師から符籙(おふだ)を授けられる授籙によって資格が得られ、多くは世襲だった。
 日本で道士ということばが広く知られるようになったのは1980年代の香港などで作られたキョンシー映画『霊幻道士シリーズ』からであろう。しかし実際の道士は映画のような服装ではなく、全く事実と異なっているので、あのイメージは棄てた方がいい。
印 刷
印刷画面へ