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顧愷之

六朝文化を代表する中国の画家。4世紀後半、東晋の宮廷に仕え、『女史箴図』を描いた。

 こがいし。4世紀後半、江南の建康(現在の南京)を都とした漢人王朝の東晋に仕えた中国史上最初に現れた画家で、「画聖」といわれる。書家の王羲之と並び、六朝文化の貴族文化を代表する芸術家である。その代表作は『女史箴図』(ロンドン大英博物館蔵)、『洛神賦図』(ワシントン・フレア美術館所蔵)であるが、いずれも模写しか伝わっておらず、真筆は散逸した。特に『女史箴図』は南北朝時代の宮廷生活の風俗を伝えると共に、いききとした人物描写が見られ。傑作とされている。

Episode 三本の毛を加え、画に魂を入れる

 顧愷之は肖像画が特に優れており、裴叔則という人の肖像を描き最後に頬の部分に毛を三本かき加えた。ある人がわけを尋ねると、顧愷之は「裴叔則は優れた見識のある人だ。この毛こそその見識を示すものだ」という。あらためてとっくりと眺めると、なるほど三本の毛を加えたことで魂があるように見えたという。<井波律子『奇人と異才の中国史』岩波新書 2005 p.52> 
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3章2節 エ.魏晋南北朝の文化
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井波律子
『奇人と異才の中国史』
岩波新書 2005