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カシュガリー

1077年に最初のトルコ語事典を編纂したカラハン朝の学者。トルコ=イスラーム文化の先駆となった。

 カラハン朝で、1077年に世界最初のアラビア語で書かれたトルコ語辞典を完成させた。東トルキスタン(現在の中国領新疆)のカシュガルに生まれたアル=カシュガリーは、カラハン朝の王族の一員で、若くして政争に巻き込まれカシュガルから逃れて諸国を歩き回り、セルジューク朝支配下のバグダードでトルコ語やトルコ人についての知識の重要性に気づき、およそ5年の歳月をかけて、1077年に『トルコ語辞典』(ディーワーン・ルガート・アッテュルク)を完成した。

『トルコ語辞典』の編纂

 この辞典は彼が亡命旅行中に収集したトルコ系民族のトルコ語方言を、アラビア語で説明したもので、辞書としてだけではなく、当時のトルコ人の生活や各地の地名、地図、民族名、さらに地図まで含む「11世紀トルコ民族百科全書」と呼ぶことも可能であり、世界で最初のトルコ語辞典であった。トルコ学者の間では「カシュガリーを知らずしてトルコ民族について語るな」とさえ言われている。後のティムール朝で発展するトルコ=イスラーム文化の先駆けとなった。
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