印刷 | 通常画面に戻る |

イタリア商人

十字軍運動を契機に東方貿易を活発に行い、利益を上げた、主として北イタリア商業都市の商人。

11世紀ごろから、三圃制農業の普及などによってヨーロッパキリスト教世界の生産力が高まり、貨幣経済が復興し、商業ルネサンスといわれるようになった。特に11世紀末に始まる十字軍運動でのイスラーム世界との接触によって始まった東方貿易(レヴァント貿易)が活発になると、十字軍の出港地となったヴェネツィアジェノヴァという北イタリアの港湾都市に多くの東方からの物資が集まり、その地のイタリア人の商人が大いに活躍するようになった。これらのイタリア商人は地中海商業圏で活躍したが、次第に内陸のフィレンツェやミラノも毛織物の生産や金融業で大きな富を獲得するようになった。
 世界史上、最も有名なイタリア商人はヴェネツィア生まれのマルコ=ポーロであろう。彼は13世紀に、陸路をとって中国にいたり、元のフビライの宮廷に仕え、帰路は海路を取ってヴェネツィアに戻った。
 15世紀にオスマン帝国が東地中海に進出し、東方貿易が出来なくなったことはイタリア商人にとって大きな危機であった。そこで彼らは、西回りでアジアに到達し、直接的な香辛料貿易の利益を得ることを考えた。ポルトガルやスペインの王室の新航路開拓の背景にはそのようなイタリア商人の積極的な働きかけがあったのである。ジェノヴァ生まれのコロンブスが新大陸の発見者となったのもそのような事情があった。
印 刷
印刷画面へ
ノートの参照
第7章2節 海の道の発展