印刷 | 通常画面に戻る |

トプカプ宮殿

オスマン帝国のメフメト2世がイスタンブルに建設した宮殿。

 オスマン帝国のスルタン・メフメト2世がコンスタンティノープルを征服し、イスタンブルといわれるようになって帝国の都となったときに建造された宮殿。はじめ宮殿はグランド=バザールの西側に建設されたが、市場に近すぎたため、次いで新たな宮殿がイスタンブル市街の東端のマルマラ海に突き出た小高い丘に、1465~78年にかけて建設された。旧宮殿の場所は現在イスタンブル大学となっている。新宮殿には大砲を備えた「大砲の門(トプカプ)」という門があったので、トプカプ宮殿(サライ)と言われるようになった。トプとは「大砲」、カプとは「門」のことである。英語表記ではトプカピともいう。宮殿は外廷、内廷、ハーレムの三つからなり、スルタンの居所であると同時に国政の場として、1853年まで使用された。

「世界の富を集めたトプカプ」

 トプカプ宮殿は現在は博物館となっており、「世界の富を集めた」と言われたオスマン帝国のスルタンの豪勢な生活を偲ぶことが出来る。スルタンたちの宝石をちりばめた玉座や、王子の金のゆりかごなどがすごいが、目を引くのは膨大な東洋の陶磁器であり、景徳鎮でつくられた宋代の白磁青磁、元・明代の染付などが膨大な量、保管されている。これは中国や日本から「陶磁の道」を経てイスタンブルに運ばれたものである。<三上次男『陶磁の道』岩波新書 1969 p.80~、大島直政『遠くて近い国トルコ』中公新書 1968 p.64~など>

Episode 映画トプカピ

 ジュールス=ダッシン監督の映画「トプカピ」は、芸術家気取りの泥棒たちがトプカピ宮殿の宝物部屋にある大エメラルドをはめこんだ「スルタンの宝剣」を盗み出す話だった。ギリシア生まれでアメリカに渡って社会派の映画を発表して注目を集め、『日曜はダメよ』で同じくギリシア生まれの女優メリナ=メルクーリと組んで発表したダッシンが、一転して総天然色でつくった娯楽作であるが、泥棒ものとしては傑作だと思う。というのはトプカプ宮殿が舞台とさなっていて、むしろその宮殿が主人公の観がある重要な役割を果たしているからだ。トプカプ宮殿の表と裏をうまく描いていて興味深い。
印 刷
印刷画面へ
ノートの参照
7章3節 トルコ・イラン世界の展開
書籍案内

三上次男
『陶磁の道』
1969 岩波新書
DVD案内

『トプカピ』
監督 J.ダッシン
出演 M.メルクーリ、P.ユスティノフ、M.シェル