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コモン=ロー

一般的慣習法の意味で、17世紀にイギリスの「権利の請願」の基本理念となった法思想。

 common law とは、一国に「共通する法律」の意味で、イギリスにおいて生まれた概念である。ノルマン朝の12世紀後半から、国王裁判所で判例が蓄積され、次第に先例として体系化された法をいう。当初は一般的な慣習法という意味であったが、13世紀以降のイギリス議会制度の発展とともに王権を制限する意味合いが強くなってきた。17世紀初めにステュアート朝のジェームズ1世が即位し、王権神授説を根拠に、専制的な政治を行うようになると、それに対抗する議会側の理念として、コモン=ローが掲げられるようになった。コモン=ローの理念をかかげ、「国王と言えども法に従うべきである」とし、法の優先を説いたのが、当時の法律家の対価であり、議会の指導者の一人であったエドワード=コーク(またはクック)であった。その理念をもとにコークが起草した権利の請願は、1628年に議会で可決され、国王に提出された。
 コモン=ローは成文化された法体系ではなく、慣習化した先例を積み重ねていったものであるが、絶対王政期には王権神授説に対抗する議会や市民の依って立つ基盤として重視された。市民革命が進行し、立法権を持つ議会が定着していくと次第に議会立法に席を譲っていくこととなるが、イギリスなどでは依然としてコモン=ローの理念は法体系の基本とされている。
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ノートの参照
9章1節 イ.イギリス革命