印刷 | 通常画面に戻る |

アシエンダ制

17世紀以降のスペインの中南米植民地での大農園制度。プランテーションの一つの形態。

 スペイン植民地であった中南米(19世紀中ごろからラテンアメリカといわれるようになる)において、17世紀からみられるスペイン人大土地所有者が現地人を債務奴隷として労働力とする大農園経営の形態。その地主であり経営者であるスペイン人入植者は現地のインディオの債務者を債務奴隷として家父長的に支配しながら経営した。

エンコミエンダ制に代わって普及

 16世紀に行われていたエンコミエンダ制はスペイン王室の政策として、キリスト教布教と引き替えに入植者にインディオに対する強制労働を認めたものであったが、人口減少という結果をもたらしたので次第に衰え、17世紀にはスペイン人入植者の私的な大土地所有であるアシェンダ制が成立した。とくに、スペイン領メキシコで典型的に見られた。
 アシエンダ制は鉱山や都市の人口の食糧を供給する目的で作られ、現地の食料用穀物の生産を行っていたので、輸出用の単一の商品作物を生産する大農園であるプランテーションとは異なっているが広い意味ではプランテーションの一つの形態ととらえることもできる。なお、穀物の他に、竜舌蘭の根から採るメキシコ独特の酒テキーラもアシエンダ制の農園で生産されていた。
注意 アシエントなどとの違い アシエンダ(hacienda)はスペイン語で本来は「財産」の意味。黒人奴隷貿易の特許権を意味するアシエント(asiento)とはまったく別なことなので注意すること。アシエントは1713年、スペイン継承戦争の講和条約ユトレヒト条約でイギリスに与えられた。似た言葉に最近よく使われるアジェンダ(agenda)があるが、これは「会議の議題」という意味。なおアジェンデ(Allende)は戦後のチリで社会主義政権を樹立した政治家の名前。似た言葉が4つあるので注意しよう。
印 刷
印刷画面へ
ノートの参照
9章2節 イ.アメリカにおける殖民地争奪