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復古王政

ナポレオン第1帝政に続くフランスの政体で、1814~1830年まで。

 ナポレオン1世第1帝政が1814年にその退位で終わった後(1815年に一時ナポレオン1世の帝政が百日天下として復活するが)、フランスで復活したブルボン朝ルイ18世シャルル10世の支配時代を「復古王政」という。1814年から、七月革命の起こる1830年まで続いた。革命前のアンシャン=レジームの復活を策したが、フランス革命で生まれた市民意識は定着していたので、所有権の不可侵や法の下の平等などの革命の成果は保障された。
 ルイ18世のもとでは、タレーラン正統主義を掲げてウィーン会議に参加し国際的な権威を維持することはできたが、領土は革命前に戻され、イギリス、ロシア、オーストリア、プロイセンの四国同盟によって抑えられることになった。それでも賠償金も払い終わった1818年には、五国同盟に加えられてヨーロッパの強国として復活した。
  次いで1824年、弟のシャルル10世が即位すると、より反動的な政治が行われて、復古王政に対する反発が強まり、1830年の七月革命で倒されることになる。

Episode スタンダールの『赤と黒』

 復古王政時代のフランスを舞台とした文学がスタンダールの『赤と黒』(Le Rouge et le Noire)である。復古王政の終わった七月革命の年、1830年に発表されている。田舎ものの製材屋の息子ジュリアン=ソレルが、野心に燃えて貴族の家庭教師、さらに秘書から身を起こそうとしながら、二人の女性との恋の激しい葛藤を続け、ついには破滅する物語であるが、題名の『赤と黒』とは、一般に赤が軍服を、黒が僧服を意味し、いずれも復古王政時代に幅をきかせていた軍人と僧侶の象徴であるとされている。ジュリアンは密かにナポレオンを敬愛しながらそれを隠し、驚異的な記憶力を発揮して聖書を丸暗記して聖職者への道を歩もうとする。また、その才能を買われて秘書となった貴族の家で、その娘と恋仲になり、遠ざけられて軍人になる。物語は、フランス革命とナポレオンによって自由と平等にあこがれるジュリアンと、それを許そうとしない貴族や地方の有力者側にいる人妻と令嬢との道ならぬ恋・・・と読むことができる。<スタンダール『赤と黒』上・下 岩波文庫 桑原武夫・生島遼一訳>
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ノートの参照
第12章1節 ウ.七月革命とイギリスの諸改革
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スタンダール
桑原武夫・生島遼一訳
『赤と黒』
上下 岩波文庫