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ファラデー

ファラデー
Michael Faraday 1791-1867

19世紀前半のイギリスの科学者。電磁誘導を発見し、電気利用の発達の基礎を築いた。

 19世紀のイギリスのファラデーは化学・物理学でもっとも重要な貢献をした人物のひとり。1831年、2組のコイルを用いた実験を行い、磁気の作用によって電流が誘導されること、つまり電磁誘導を発見した。さらに1833年に、電気分解の法則を発見し、電磁気学の基礎を築いた。これらの基礎の上に、1832年に電磁誘導の原理を応用した発電機(ダイナモ)が発明されて電気の実用化が始まり、ドイツのジーメンスなどによる技術改良が加えられ、電気という現代文明を支えるエネルギーとされるに至った。

独学で科学者に

 マイケル=ファラデーは1791年、ロンドンの近くで錠前屋の子供として生まれた。「家が貧しかったから小さいときから製本屋で働いていた。製本の見習いをしているうちに、本をとじるだけでは満足できず、中をのぞいてみるようになった。そうして、特に化学や電気にかんするところに興味を持った。今度は本に書いてあるのを読むだけでは満足できなくなり、いくらもない小遣い銭のなかから薬品などを買って来て、化学の実験を自分でやってみたりするようになった。」<ファラデー/矢島祐利訳『ロウソクの科学』1933 岩波文庫 訳者のはしがきより>
 1812年2月29日、22歳のとき、主人の得意先につれられて、ローヤル=インスティチューション(官立の研究所兼学校)に通うようになった。科学で身を立てようと思い教授に相談したが、「科学を専門にやってそれで飯を食うのはむずかしいことだから製本屋を続けていたらどうか」といわれた。ところが数日後、教授の助手がやめたため、その代わりをやる気があるかと連絡を受け、かれは喜んで助手になった。それからそこに寝泊まりして試験管を洗ったり、実験の手伝いをすることになった。数年後には自分の研究ができるようになり、やがて教授となって1861年にやめるまで研究に従事し、数々の発明、発見をしていった。電磁誘導や電気分解などの物理分野だけではなく、塩素の液化、復水の発見、ベンゾールの化学分野の発見もその業績である。
 彼がローヤル=インスティチューションの教授として、1860年に子どもたちを対象に行った連続クリスマス講義をまとめたのが、科学の入門書として名高い『ロウソクの科学』である。<以上、ファラデー/矢島祐利訳『ロウソクの科学』1933 岩波文庫。現在は新訳が岩波文庫から出ている。また角川文庫からも出されている。>

Episode 心霊現象を否定したファラデー

 19世紀後半になると、イギリスでは心霊主義が台頭し、霊能力を持つと称する人を囲み、不思議な現象を体験する交霊会が各地で開かれるようになった。心霊現象の中でポピュラーなものだった「テーブル・ターニング」(テーブルをかこんだ人間が手をのせると霊の力でテーブルが動く、という)を、まやかしだと考えたファラデーは、力学実験によってそれは参加者の無意識な手の動きがテーブルに作用した現象にすぎないと指摘した。このようなファラデーの努力にもかかわらず、心霊現象や超常現象に対する人々の関心は衰えず、現在でもTVでも盛んに取り上げられている。「科学の発展が加速するにつれ、逆に、科学では説明がつかない神秘的な事柄に関心を深める人々もふえてきたのであろう。」<小山慶太『科学史年表』中公新書 p.136>
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ノートの参照
第12章4節 ウ.科学・技術と市民生活
書籍案内

ファラデー/竹内敬人訳
『ロウソクの科学』
2010 岩波文庫

小山慶太
『科学史年表』増補版
2011 中公新書