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カルティニ

20世紀初め、インドネシアの民族運動、女性解放運動の先駆的な役割を果たした女性。

 20世紀の初め、オランダ領東インドとしてオランダの植民地支配を受けていたジャワ島で、教育を通してインドネシア人としての自覚を促し、インドネシアの民族運動の始まりを告げた女性であった。
 ジュパラの進歩的貴族の家に生まれ、ヨーロッパ人の学校でオランダ語を学ぶ。社会生活の変革の必要を自覚し、1902年にジャワの娘を対象にした私塾を開き、女性の経済的自立を進めるべく職業教育を構想したが、産褥熱のため25歳で死去した。彼女のオランダ人の友人にあてた手紙が出版されて広く知られるようになり、その収益でカルティニ基金が設けられ、各地にカルティニ女学校が開設された。1964年には「国家独立英雄」に列せられ、誕生日の4月21日は「カルティニの日」として祝賀行事が催されている。<『インドネシアの事典』同朋舎 p.119> 

出題 センターテスト 1999年世界史B 本試験 第1問

 C 次の文章は、東南アジアのある国がまだ植民地であったころ、同地に住むカルティニという貴族の女性が、ヨーロッパに住む文通相手に、1901年8月、22歳の時に書き送った手紙の一節である(舟知恵・松田まゆみ訳『民族意識の母カルティニ』より)。彼女は人々の民族意識を目覚めさせた人物として、後に知られるようになる。
「ああ、本来は美しく、気高く、心優しく、信心深く、慎ましかったジャワ人の魂は、今はどうなってしまったのでしょう。この沈滞した何世紀もの間にそれはどうされてしまったのでしょうか?
私たちはよく、ジャワ人よりも心はオランダ人に近いと言われます。そういう批判は心を痛めます! 私たちは西洋の思想や感覚に影響されているかもしれませんが、私たちの血、私たちの血管の中を熱く流れているジャワの血は消すことができません。花の香りや、ガムランの響き、椰子の木をざわめかせる風の音、鳩の鳴き声、風にそよぐ稲の葉音などの中に、私たちはそれを感じのです。」
問1 この手紙に記されているジャワについて述べた文として正しいものを、次の①~④の内から一つ選べ。
 ① この島は、現在マレーシアの一州であり、豊富な人口と肥沃な土地を有している。
 ② この島は、オランダによってコーヒーなどの強制栽培制度が導入された。
 ③ この島を拠点としたオランダ東インド会社は、19世紀半ばに、英蘭戦争を招いた責任を問われて解散した。
 ④ この島で頭骨が発見されたジャワ原人は、土器を使用していた。
問2 この手紙が書かれた1901年における、東南アジアの植民地とその宗主国の組合せとして誤っているものを、次の①~④の内から一つ選べ。
 ① カンボジア-フランス   ② ビルマ(ミャンマー)-イギリス   ③ シンガポール-イギリス   ④ フィリピン-スペイン
問3 ジャワの伝統文化の形成に影響を与えた宗教の組合せとして最も適当なものを、次の①~④の内から一つ選べ。
 ① ヒンドゥー教 - 仏教 - イスラーム教    ② ヒンドゥー教 - 仏教 - キリスト教
 ③ 仏教 - イスラーム教 - キリスト教     ④ ゾロアスター教 - ヒンドゥー教 、仏教

解答   →