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シナゴーグ

ユダヤ教の信者の集会所のこと。教会の役割ももち、ユダヤ人居住地の進行と生活の中心となった。

 シナゴーグ synagogue は、ユダヤ人の民族宗教であるユダヤ教の信者が集会し、ラビと言われる指導者から律法(トーラー)に基づいた信仰を共有するための教会でもある。ユダヤ人の歴史の中で、バビロン捕囚の時期に生まれたと考えられ、パレスチナをローマ帝国に支配されてユダヤ人が地中海世界から世界各地に広がっていくと共に、各地のユダヤ人居住地(中世ヨーロッパではユダヤ人が強制的に隔離されゲットーといわれた)には、それぞれシナゴーグが建てられた。

シナゴーグの起源

(引用)(バビロン捕囚)この間、捕囚民の間で多様な伝承からなる律法(トーラー)の収集が行われ、律法を定期的に学習する制度が発達した。これがシナゴーグ(ギリシア語でシナゴーゲー、原意は「集会所」。ヘブライ語でペイト=ハクネセット)と呼ばれるユダヤ教独自の集会所の始まりである。シナゴーグにおいては律法の学習とコミュニティーの勤行が行われた。第二神殿時代(前538年、バビロン捕囚から帰還を許されてイェルサレムに神殿を再建してから、ローマによって破壊されるまで)のユダヤ教団が発展させた制度のなかで、後代に最も大きな影響をおよぼしたものはシナゴーグだった。<高橋正男『物語イスラエルの歴史』中公新書 2008 p.124>