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カウティリヤ

マウリヤ朝チャンドラグプタ王の宰相。国家統治のあり方を王に説き、『実利論』を著す。

 前4世紀の終わり頃、インドを最初に統一したマウリヤ朝チャンドラグプタ王の宰相。チャンドラグプタ王の統一事業に大きな貢献をしたとされ、彼が国家統治のあり方を説いたとされる『アルタ=シャーストラ』(実利論)は、古代インドの政治論として知られている(現在の形にまとめられたのは、後3世紀頃)。

Episode インドのマキャヴェリ

 カウティリヤの政治論書『アルタ=シャーストラ』(実利論)は、王にとっての実利、つまり領土を獲得しそれを維持するための、さまざまな方策を論じた作品である。そのなかで、目的のためには手段を選ばないという非人道的な謀略を用いることも推奨されているため、インドのマキャヴェリと呼ばれている。例えば反逆的な大官を葬るためには、弱小の軍隊と刺客をつけて戦場に派遣し、戦闘が始まったら刺客に殺させて、「彼は戦闘中に殺された」と告げるべきである、などと述べている。<山崎元一『古代インドの文明と社会』世界の歴史3 中央公論社 1997> 
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