王維
唐代の詩人、画家。
中国の唐詩の中で、盛唐の詩人であるとともに画家。「王維は李白・杜甫とちがって山西の名家に生れ、早くから宮廷詩人として名を成した。静寂な自然を詠んで禅味のただよった五言絶句はまことに絶品というべきだ。また不世出の画家でもあって、「詩中画あり、画中詩あり」とはまさに適評である。」<松枝茂夫編『中国名詩選』中 p.28 岩波文庫 1984>
画家としての王維は「山水画」に新境地を開き、後に南宗画(南画)の祖とされるようになる。
代表作には、西域に赴く友人を送別した時の「渭城曲」。“君に勧む、更に尽くせよ、一杯の酒を。西のかた陽関を出づれば故人無からん。(さあ、もう一杯飲みたまえ。陽関を出ればもう友達もいないのだから)”の一節が有名。
画家としての王維は「山水画」に新境地を開き、後に南宗画(南画)の祖とされるようになる。
代表作には、西域に赴く友人を送別した時の「渭城曲」。“君に勧む、更に尽くせよ、一杯の酒を。西のかた陽関を出づれば故人無からん。(さあ、もう一杯飲みたまえ。陽関を出ればもう友達もいないのだから)”の一節が有名。
Episode 安禄山・王維・阿倍仲麻呂
王維は科挙に好成績で合格して官僚となり、玄宗に仕え累進したが、安禄山の乱の時、賊軍に捕らえられ、脅迫されてやむなく安禄山政権に仕えた。そのため乱後処罰の対象となったが、危うく逃れて尚書右丞として没した。なお、王維の作品には、阿倍仲麻呂(中国名は朝衡)-遣唐使に従って入唐し、詩才によって玄宗の寵愛を受けた日本人-の帰国に際して送った歌がある。もっともこのとき仲麻呂は嵐にあって帰国を果たさず、その地で没した。