欧陽詢
隋から唐代にかけて活躍した書家。初唐三大書家の一人とされる。
欧陽詢書『九成宮醴泉銘』
『改訂東洋美術全史』p.289
楷書の書体を完成
その代表的な筆跡は「九成宮醴泉銘」(632年)で、これは「楷法の極則」といわれ、楷書の完成した形として後世に受け継がれた。やゝ時代が下る褚遂良の楷書は、欧陽脩を継承しながら、細身の清らかな書体となっている。さらに、盛唐の時代の顔真卿になると、豊かで雄渾な書体となる。いずれにせよ、書道の楷書は唐代に完成され、それ以降の楷書は形式的な書風となってゆき、個性的な行書が書の主体となっていく。 → 唐の文化