クトゥブ=ミナール
奴隷王朝のアイバクが建てたインド最初のイスラーム建築。1200年、デリーの近郊で建造が始まったモスクのミナレット(尖塔)で、インドのイスラーム化を示す貴重な文化財である。
・アイバクはデリーを征服すると、インド最初のモスクを建設した。そのミナレットとして建てられたのがクトゥブ=ミナールである。この奴隷王朝の初代スルタン、アイバクが建てたクトゥブ=ミナールは、インド最古のイスラーム建築として重要であり、精密なアラビア語を意匠化した彫刻が見られる。ただし、モスク建築をよく見ると、イスラーム美術にはにつかわしくない裸女のレリーフがある。これは、アイバクがモスク建築を急ぐあまり、その地にあったヒンドゥー寺院を破壊してその建材を流用したからだった。
世界遺産 クトゥブ=ミナール
クトゥブ=ミナールと周辺の記念物は、1993年に世界遺産に登録された。インドの首都のデリーの南、数キロメートルのところに在り、高さが72.5m、麓の直径が14.32mで上部に行くにつれて細くなる尖塔である。13世紀に建造された、インド最古のイスラーム建築で、モスクとそれに附属するミナレットとして建てられた。 → ユネスコ 世界遺産センター Qutb Minar and its Monuments, Delhi