スーク/バザール
イスラーム世界での市場を意味するアラビア語。ペルシアではバザール。モスクやマドラサと共に都市の中核として機能した。
アラビア語で市場のこと。ペルシア語ではバザール(正確にはバーザール)。イスラーム教圏の都市の中心部、モスクの近くの商業地域。イスラーム都市文明はイスラーム帝国の整備された交通路により、遠隔地に伝わった。現在でもイスラーム圏の都市にはスーク(バザール)があり、ありとあらゆる商品が取引され、市民生活に不可欠なものとして機能している。
バグダードとイスファハーン
スーク(バザール)には広場と常設店舗、それに加えて各地から集まってくる隊商の宿泊施設であるキャラバンサライが付設されている。大都市におけるスークの例は、アッバース朝の首都バグダードにあったカルフ地区が挙げられる。イランでのではバザールと言うが、その中で最大のものが、16世紀のサファヴィー朝の首都イスファハーンである。中心の王の広場(現在はイマームの広場)の北側から北東側にはドームの屋根の並ぶバザールが並び、アーケードを通っていくとキャラバンサライの中庭につながる。スーク(バザール)はイスラーム圏の経済・商業の主要な舞台であった。