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ボーダン

16世紀後半、フランスの思想家で王権神授説に基づく国家主権の絶対性を説いた。

 16世紀後半、ユグノー戦争時代のフランスの思想家、ジャン=ボーダン。ボダンとも表記。宗教対立がフランスの政治と社会を混乱させている現状を批判し、その現実的解決の道を探った。特にサン=バルテルミの虐殺の後は、増大する無秩序、混乱を解決するために強力な王権の必要を痛感するようになった。
 宮廷の官僚層を形成していた中小貴族は次第にその思想に同調し、「ポリティーク派」(旧教、新教のいずれにも与しない中間派)を形成するようになり、彼らがアンリ4世の劇的改宗による事態の収拾というシナリオを支持したのである。ボーダンはその思想を『国家論』で展開し、国王が立法権を持つ主権者であると位置づける「絶対王政」を理論づけた。彼の思想は当時においては王権神授説の論拠となったが、それにとどまらず、近代的な国家主権論の先駆としての意義を有している。
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