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イダルゴ

メキシコの独立を指導者。1810年に蜂起したが、スペイン植民地当局に捕らえられ処刑された。メキシコ独立運動の先鞭をつけた。

 「メキシコ独立の父」と言われる、メキシコの独立運動指導者。ミゲル=イダルゴは貧しいクリオーリョの生まれで、ドロレス州の小さな村の神父となった。ルソーの思想に共鳴し、1810年9月16日の日曜日の朝、信者たちに武器を配り、「悪政を倒せ、スペイン人を殺せ!」と叫んで行進を始めた。途中、インディオメスティーソも加わり、大きな勢力となったが、武器は少数の小銃があるだけで、あとは弓矢や槍、斧などだった。
 12月にバリャドリドで議会の設立を宣言、奴隷を解放し、インディオに土地を与えた。しかし翌年1月、副王軍に敗れ、アメリカに逃れようとしたところをチワワで捕らえられ、7月26日に処刑された。イダルゴの生きている間にメキシコの独立が達成されたのではないが、彼が立ち上がった9月16日は、現在でもメキシコの独立記念日とされている。<中屋健一『ラテン・アメリカ史』1964 中公新書>

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