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ミャオ族

苗族。中国の南西部に現在も生活する少数民族。たびたび反乱を起こした。

 ミャオ族(苗族)は現在も中国南西部の貴州ややベトナム北部、ラオス、タイの山岳地帯などに居住する中国の少数民族(現在は約894万人)の一つ。明や清はミャオ族に対する同化策をとったが、それを「改土帰流」という。それは現地の有力者(土司という)に政治を任せ自治を認めることを改め、中央から官吏を派遣(これを流官という)して王朝の直接支配に切り替える、ということである。清朝はこの政策を雍正帝の1726年から開始したが、ミャオ族(特にその中の湖広、広西、貴州に分布する黒苗と言われる人々)が激しく抵抗したので、清朝は村落を焼き払ったり、漢人を入植させてミャオ族との対立をあおったりしながら制圧し、重税をかけた。

太平天国とミャオ族の反乱

 1855年、張秀眉に率いられたミャオ族は、太平天国の乱に呼応して反乱を起こし、奪われた土地の奪回などを求めた。このミャオ族の反乱は太平天国の乱平定後も続いたが、張秀眉がとらえられ、また清朝の分断策もあって、1872年までに鎮圧された。この戦いでおよそ100万のミャオ族が殺され、生き残ったのは数万人に過ぎなかったという。<川本芳昭『中国史の中の諸民族』2004 山川出版社世界史リブレット61 p.72-74 などによる>