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ダヤーナンダ=サラスヴァティー

19世紀インドのヒンドゥー教改革運動の一つ、アーリヤ協会を創設した。

 インドのグジャラート出身の苦行者で、『ヴェーダ』とヒンドゥー教の優越性を強調し、『ヴェーダ』こそあらゆる知識の根源であるとして“ヴェーダに帰れ”と主張した。またそのヒンドゥー教の宗教としての純化をめざすところからヒンドゥー復古主義ともとらえることができる。彼によれば偶像崇拝や聖地巡礼、カースト制度などはいずれも本来のヒンドゥー教ではないということになり、また女性の社会的地位の向上を目指す点などは革新的な面があった。しかし、イスラーム教やキリスト教に対しては不寛容で、敵対的に非難を繰り返したので、排他的なヒンドゥー至上主義につながる面もある。彼はみずからの信仰を高めるため、1875年にアーリヤ協会を設立、ヒンドゥー教改革運動の一つの潮流となり、さらに20世紀のインド民族運動(ナショナリズム)の高揚にも影響を与えた。
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